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住生活コンサルタント 早坂淳一 ネクスト・アイズ株式会社共用型二世帯住宅間取りごとのメリット・デメリット!費用について

1 玄関を共有する場合の注意点

ユーキコーポレーション 施工事例より
ユーキコーポレーション 施工事例より

玄関を共有する場合の注意点

玄関共有の最大のデメリットは、外出時に自分たちのスペースを覗かれる心配があることです。玄関を共有すると、親世帯・子世帯とも、お互いのプライバシーがある程度損なわれます。共有であることから、お互いが干渉してしまうからなのです。玄関共有の場合、お互いに外出や帰宅の時間がわかるため、ついつい行き先や帰宅時間を訪ねたりします。それに、各世帯への訪問者もわかってしまいますから、ひとを招くにも気兼ねしてしまいます。

仲の良い親子であれば、お互いに気にすることはないかもしれませんが、少しでも仲違いしている関係だと、留守中に部屋に侵入されてアラ探しされないとも限りません。お互いの外出時は各世帯ともそのような心配をしなければならず、それがストレスにもなりかねません。プライバシー侵害にお互い耐えきれなくなり、新たに玄関を2つにわけるような工事をすると、それだけ余分な費用がかかってしまいます。こんなことにならないように、玄関の共有については建築前に十分に検討しましょう。

2 キッチン共有に障害の少ない二世帯同居スタイルとは?

親世帯・子世帯の関係には、夫の両親と一緒に暮らす場合・妻の両親と一緒に暮らす場合の2種類あります。キッチンの共有に障害がなく、家族全員が大きなメリットを感じるのはどちらの関係でしょうか?

それは、妻の両親と同居のときです。最近は夫が台所に立つことも増えてきましたが、なんといってもキッチンは妻の領分であり、その場所に立つのは圧倒的に妻のほうが多い家庭がほとんどです。親世帯でも同じでしょうから、そこに立つのは母親になります。たいていの場合、母と娘がいっしょにキッチンを使うことになります。実の母と娘が一緒にキッチンを使うにあたり、実の母娘ですからお互いの食べ物や味の好みは熟知していますし、料理の調理方法をはじめ息のあった料理や家事はもちろん、食材の購入もこなします。

2人がキッチンを共有することによるメリットは計り知れません。実の母娘ですから、食材の購入担当やその日の料理当番などもスムーズに決めることができますし、お互いの好みをお互いによく理解していることから、お互いに嫌いなものを作って無駄にすることもありません妻の両親との二世帯住宅では、キッチンを共有することで快適な二世帯の暮らしを満喫することができます。

では、夫の親とのキッチン共有は避けるべきなのでしょうか?

女性の社会進出で嫁・姑の価値観に違いが現れている

妻の両親とのキッチン共有については、何のデメリットもなく、むしろメリットのほうが多いのですが、夫の両親、いわゆる嫁姑の関係におけるキッチン共有はお互い生活するうえで大きなデメリットを抱えることになります。現在は、昭和世代に嫁・姑が一緒に暮らしていた時代と時代背景が大きく異なり嫁(子世帯)が共稼ぎであるのは、現在ではあたりまえのことです。当然、子世帯は夫婦で協力しては短時間で効率よく家事をこなす必要がある一方親世帯の価値観は、家事は妻が行うもの、という固定概念をいまだに色濃く残す方々が多いことは、あながち否定できません。夫婦の家事に対する考え方が大きく異なるなかで、嫁姑がいっしょに暮らしはじめると、最初の頃はそうでなくても、価値観の違いがもたらす問題が次第に出てきて、時には深刻なトラブルに発展することもありますので注意が必要です。嫁・姑でキッチンを共有する場合は、事前に価値観の違いを認識しておくこが大切になってきます。

キッチンは、一般的には女性にとって大切な場所。それだけ、キッチンの使い方には各々のスタイルがあります。

長年にわたり培ってきた冷凍冷蔵庫・シンク・コンロの位置関係、細かな部分では、コンロの近くに配置している調味料やカトラリーの配置をはじめとするそのスタイルは、誰しもそう簡単には変えられないのです。夫の両親(または姑)とのキッチン共有の場合、お互いのキッチン活用スタイルが違いますから、お互いにそこに不満が募りストレスの原因となります。でも、お互いにそのストレスを口に出すと、お互いに角が立ってしまうので我慢してしまいます。お互いに強いストレスが重なって結果として、嫁・姑の関係が悪化してしまうことも十分に考えられるのです。お互いの都合から、料理当番や買い物当番を決めなければならない場合でも、お互い不平不満が積み重なっていますから、お互い気軽にそうした相談もできません。

やむを得ず夫の親夫婦とのキッチン共有になりそうなときは嫁・姑で事前に話し合い、お互いの家事に対する価値観の違いを認め合い、あわせて以下のキッチンプランのセオリー(理論)に基づくキッチンの使い方をはじめ調理器具や調味料といった細かな収納場所の取り決めまで事前に話し合うことが重要です。

嫁・姑で身長差が大きい場合、キッチンカウンター(調理台)の高さも吟味しておこう!

キッチンカウンター(調理台)の高さは作業効率や疲労感などに深く関わります。高すぎると腕が疲れますし、低すぎると腰が疲れます。キッチンカウンター(調理台)の高さはJIS規格で 80cm/85cm/90cm/95cmと規定されていますが、現状はどのメーカーでも希望に合わせて高さの調整に対応してくれます。キッチンカウンター(調理台)を最も使う方の身長に合わせた高さで選ぶ必要があります。

キッチンカウンターの高さの目安

キッチンカウンター(調理台)の高さ=身長÷2+5cm
※身長160cmの場合、160÷2+5=85cm
是非参考にしてみてください。

また、できるだけ嫁・姑といっしょに、それぞれ普段履いているスリッパとまな板を持参のうえ、検討しているキッチンを展示しているショールームに行って、キッチンの近さ、異なる高さをそれぞれ試してみて、ご自宅のキッチンでの実際の使用感などと比較検討しながら選ぶといいでしょう。

キッチンの通路幅の配慮

キッチンを1人で利用するならば90cm程度あれば十分ですが、嫁・姑でお互いの関係性に配慮するため、いっしょに調理をすることが多くなることが予測される場合、キッチン通路幅は120cm程度必要です。

吊戸棚やシンク上部の収納位置は、取り出しやすい位置を吟味

高くなりすぎず、低くなりすぎず、取り出しやすい位置にあるのが理想ですが、高齢の親である場合は吊り戸棚には土鍋などの重量物を収納する場所にするのではなく、調味料などのできるだけ軽めのものを収納できるようにしておいたほうが無難です。収納についてはシステムキッチンの規格や付属設備により、それぞれ違いが出る場合があるだけに、決まり切ったパターンはありません。使う人の身長に合わせて床から吊戸棚の底辺部が、使う人の目の高さの範囲に収まるようにするのがおすすめです。そうすることで、使う頻度が高い物を目の高さの取り出しやすい場所に置くことができ、収納しやすくなります。

冷凍冷蔵庫はキッチン入口付近に配置

キッチン入口付近に配置するのがセオリーです。冷蔵庫が奥にあると、誰かが冷蔵庫にモノを取りにくるとき、食材をしまうときにキッチンの中を通らなければなりません。料理をしている最中ですと、どうしてもキッチンが混雑してしまい、このような些細なことでも料理している方にとってストレスになってしまいます。キッチンにいる人とキッチンに来る人の動線が重ならないようにするため、冷凍冷蔵庫は入口に配置するという基本となります。

食器棚はシンクやコンロとは近すぎず、遠すぎない位置へ

食器棚を使うタイミングは、食事のたび作った料理を配膳し、洗った食器を片付けます。行ったり来たり、家事が多い主婦にとっては少しの手間もはぶきたいものです。シンクやコンロとは近すぎず、遠すぎない位置にし、冷蔵庫の配置と食器棚の配置は一緒に考えることが大切です。

キッチン導線と収納の検討

嫁・姑のそれぞれが使いやすいキッチンにするためには、キッチン動線と収納をよりシビアに検討して、それぞれキッチンを使っている時に最も便利になるようにすることが重要です。

ポイントは以下5点!

  • ・よく利用するモノは、目から腰の高さの範囲へ
  • ・使うモノと使う場所は近づけて配置
  • ・それぞれの配置を決めたら、しっかりと守る
  • ・キッチンカウンター(調理台)にはモノを置かない
  • ・収納スペースの中も使いやすく整理

このように、[姑とのキッチン共有] において、嫁・姑のどちらが主にキッチンを使うのかを十分に吟味したうえで、シンクとコンロの配置、キッチン動線、キッチンカウンター(調理台)の高さ、キッチン収納ルールを決めておくことが、後々の嫁・姑の関係性維持にも大きく役立ちます。

3 お風呂場と洗濯機を共有するデメリット

お風呂場は、キッチンに次いで建築費(設備費・工事費)がかかる場所で、かつ、洗面脱衣所を含め、どうしても外せない設備です。同じように洗濯機も必須の設備になりますが、親世帯・子世帯の風呂場・洗濯機を1つにすると、見かけ上の建築費は下がります。いちど建ててしまうとお風呂場の増築は難しい(面積あたりで見ると高額なリフォームになりがち)ことから、お風呂のトラブルで親子が仲違いしてことを考えると、慎重な検討を求められる場所のひとつです。

生活習慣のズレによる入浴時間の問題

お風呂場を共有するデメリットとは、一体なんなのでしょうか?最も問題になるのは家族それぞれの入浴時間です。当たり前の話ですが、二世帯がいっしょに生活することで家族の人数が増えるので各々が自分の好きなときに入浴することができなくなります。親世帯と子世帯の生活習慣は大きく異なります。特に、親世帯が現役を引退しており子世帯が現役の場合、お互いの生活習慣・生活時間帯は大きく異なります。現役を引退した親世帯は自宅で悠々自適に過ごしているとしても、現役世代である子世帯は早めに帰宅したとしても普通は夜の7時頃に帰宅することは、そう珍しいことではありません。

家庭での行動は、すべて帰宅してから始まります。もちろん、帰宅してからの行動には入浴も含まれます。この時間帯だと、行動開始時間が早い親世帯であれば、すでに入浴は済ませていることでしょう。したがって、帰宅してからすぐ入浴することはできるのですが、時には食事を先にしてしまったりすることがあります。すると、長時間にわたりお風呂の温度を保つための光熱費がかさみます。昔のお風呂と違い、現在のお風呂は冷めにくくなってはおりますが、全く冷めないわけではありません。

親世帯は、こうした些細なことの積み重ねによって子世帯に不満を抱きます。ついつい同居の子世帯に先に風呂に入るように、と、親が口出しをしてしまいます。こんな些細なことでも、こうしたことが積もり積もると、お互いに強いストレスを抱いてしまいます。

洗剤や柔軟剤の不一致も問題

2000年代半ばから市販の柔軟剤に代表される香害が注目されています。香害(こうがい、かおりがい)とは、香水や香りつき洗濯洗剤・柔軟剤などの香料に含まれる香り成分に起因した、頭痛やアレルギーなどの症状や化学物質過敏症などの健康被害を指します。

香りの感じ方は個人差が大きいので、不快感のみならず、咳・喘息や頭痛、吐き気といった身体症状を発する例もあります。発生要因として、香料成分をマイクロカプセル化した残香性の高い製品や洗濯時に香りが強く残る柔軟剤を使用することなどがあります。この洗剤に含まれるマイクロカプセルが人体にも悪影響を及ぼすとみられ、欧州では規制が始まっているほか、2019年5月には、日本消費者連盟から使用禁止を求める提言が出されています。

この香害ですが、いままで使ってきた洗濯洗剤・柔軟剤について同居する親や子に気遣って換えるという以前に、そもそも香水や香りつき洗濯洗剤・柔軟剤などの香り成分によって、頭痛やアレルギーなどの症状を引き起こす自覚がありませんから、積極的に換える動機づけにはなりません。あわせて、子世帯側の立場で考えると、心情的に子世帯の下着や靴下などの洗濯物は親世帯(特に異性の親)には見られたくないものです。

万が一、親世帯の自宅介護が始まると、親の咀嚼物なども同じ洗濯機で洗濯しなければならないわけです。子世帯からすれば、これはこれで納得しがたいことです。となると、キッチンについてはある程度妥協できたとしても、お風呂場と洗濯機の共有はデメリットしかありません。

お風呂場や洗濯機は共有しないのが最善

お風呂場+洗濯機置き場を含む洗面所は、それなりの面積が必要です。家族それそれの部屋や収納など、家族それぞれが新居でそれなりの広さを求めたくなる気持ちは優先すべきことではありますが、水廻りについてはできる限り親世帯・子世帯で分離させたほうが、あとあとのトラブルを避けられる可能性と考えられます。

洗濯機の仕様・容量については、親世帯・子世帯で細かい部分まであわせる必要はありませんが、ドラム式と縦型程度はあわせておいたほうが、それぞれの世帯の洗濯をお手伝いするとき、お互い戸惑う可能性が減るかもしれません。

二世帯住宅の計画は家族同士の人間関係に左右される

二世帯住宅における最大のデメリットは、この家族同士の人間関係です。二世帯住宅は、たとえ世帯間が完全に分離していたとしても、別々に生活しているのと比べると、お互い(世帯間)の距離が圧倒的に近くなります。したがって、親世帯と子世帯、家族間の人間関係が悪化してしまうと、その人間関係の修復は非常に難しくなります。

二世帯住宅で共同生活を始めるまで、親子間・兄弟間で良好な関係を築けていたから安心と思っても、いざ二世帯住宅での共同生活を始めると想像もしなかった様々な問題が発生します。お互いにとって良いこと(特に資金面)があると思って始めた共同生活だとしても、家族間の人間関係が悪化してしまうと、修復は非常に難しく、結果としてより深刻な問題になってしまうのです。その共同生活が原因で別居や離婚といった事例も珍しくありません。

家族や兄弟であっても、価値観や考え方においてお互いわかり合えないことは多々あります。たとえ家族であっても完全に理解し合うことは不可能であることを家族全員が納得したうえで、お互いの妥協点を話し合うことも二世帯住宅の計画においては非常に重要です。二世帯住宅の計画を具体的に進める前に、その家に住む予定の全員が集まって、お互い譲り合えない部分などを主張しあってお互いの妥協点を探す、という手順は必ず行いましょう。

家族同士の交渉ごとになるだけに、まずは、自分自身の主張をしっかり発言することも念頭に置き、譲れない点を書き出しておくといいでしょう。もちろん大切なことは、相手の意見もしっかり聞くことが大切になってきます。

4 仕様で大きく変わる建築費

住友林業施工事例より
住友林業施工事例より

二世帯住宅の建築を検討しはじめたとき、最も気になるのがそのお値段(建築費)です。普通の家(単世帯住宅)と違って、 どのくらい割高になるのか? どのくらいが相場なのか?見当がつかないことだらけだと思います。二世帯住宅のおおよその建築費や相場について解説します。

二世帯住宅の仕様によって大きく変わる建築費

[同居型二世帯住宅]1つの建物に2世帯の家族がすべてを共有して居住する二世帯住宅です。1件の家のなかに最低限の分離を施し全員が一緒に住みます。二世帯住宅では、最も建築費用を抑えることができます。

同居型二世帯住宅

1つの建物に2世帯の家族がすべてを共有して居住する二世帯住宅です。1件の家のなかに最低限の分離を施し全員が一緒に住みます。二世帯住宅では、最も建築費用を抑えることができます。

完全分離型二世帯住宅

建物は1棟になりますが、玄関は2箇所で内部もそれぞれ独立している内部が完全に2つに分かれている住宅を指します。イメージは棟続きアパートを建て二世帯が1世帯づつ使うような住まい。建築費は最も高価になります。

共用型二世帯住宅

完全分離型二世帯住宅と同居型二世帯住宅の中間の形態になります。それぞれの居住空間は独立していますが、キッチン・リビング・玄関など住宅の一部要素が1つで、それぞれ2世帯で共有する仕様です。2世帯で共有する部分が少なければ少ないほど、建築費用は増えます。

上記の3つの仕様のどれにするかで、建築費が大きく変わります。

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住生活コンサルタント 早坂淳一住生活コンサルタント 早坂淳一

住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルブロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。