住宅関連記事・ノウハウ
寝室(2)夫婦は一つではなく時差と温度差がある?
○今回のポイント 1 まずは、夫婦それぞれの「本音」を聴く
○今回のポイント 2 就寝時間や温度差などに合わせて適度な距離感が大事
前回、子どもと親との関わりについてお話しましたが、自粛のコロナ禍で毎日住まいの中で顔を突き合わせていると・・・不安なのは親子ではなく、実は「夫婦」だと言われているのです。
えっ?と思われるかもしれませんが、夫婦は親兄弟と違い、しょせん赤の他人で成り立っているのです。などと言うと、ますます冷たい関係のように聞こえますが、住まいづくりの現場ではこの夫婦には設計者も大いに惑わされまた裏切られたりもすることが多いのです。
夫婦は一つではないのです?!
そう、夫婦は一つではないのです。家づくりの現場では、夫婦や家族を一つにまとめて間取りや家の形を決めている例も多いようですが、本当はひとつではいけないのです。「家族は一つ、夫婦も一つ」などと言った甘い幻想を抱いていてはいけません。そこで家族を“分解”して「夫婦」「子ども」、そして同居などの「親夫婦」と分けて考えてプランニングをします。が、実はこれが間違い!なのです。「なぜ?」と思われるかも知れませんが、そもそも「夫婦」は夫と妻それぞれで、一つではないのです。
そう、夫婦も「それぞれ」で、それぞれの意見や要望があるのです。「妻の言う通りにしてやってください」とか「あなたが決めて」などは特に要注意なのです!設計を一からやり直したり、のちのち夫婦げんかの元になったりもします。
私はそんなときは夫婦別々に会ったり個別に電話したりして意見の調整をするのです。そうです。家づくりで一番大切なのは「夫婦それぞれの本音」を聴くことが大切です。
夫婦にも時差と温度差そして敏感差がある!
なにより「夫婦の寝室」は広々と取り、一つの部屋ながら互いの好みに合わせ、一方は和室で布団、もう一方は洋間でベッドを置き、双方の間にふすまを立てれば別々に休め、互いの いびきや歯ぎしり、さらには就寝時間の“時差”と暑さ寒さでクーラー戦争となりかねない“温度差”を調整し、時にはふすまが開いて“一体”?となり、夫婦円満となるのです。
<イラスト:和洋寝室(画:天野彰)>
狭い夫婦寝室でも間に分厚いカーテンや大きめのタペストリーを天井から吊り下げたり、襖を建てるなどで対処できます。どちらかが早く起きてもこれで遮光でき音も気になりません。
<左)イラスト:本格的 和・洋夫・婦寝室(画:天野彰)右)写真:I様邸 小上がりの和洋寝室(設計天野彰)>
さらに夫婦の好みに合わせ、一方はベルサイユ宮殿のベッド?に他方は小上がりの床の間付き座敷?にすることもできます。互いのクロゼットを分けることも大切なのかも知れません。
いつまでも相思相愛だと思いますが・・・家づくりでは、水を差すようなので寝室はちょっと客観的に考えることも夫婦には良いチャンスではないでしょうか。
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