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建築家 天野 彰 家づくり出会いと縁3 家づくりには旅が一番

はじめに

毎年 年の瀬になるとなぜか筆者は心騒ぎ忙しくなるのです。今日までの多くの建て主や医療・福祉施設にご挨拶にお伺いするのです。どうしても行けない場合はお歳暮のご挨拶か、賀状に挨拶と近況・抱負を綴るのです。
虚礼廃止?などという風潮もありましたが、年にたった一度のあいさつを兼ねて近況と消息を伝え、尋ねる唯一の機会でもあるのです。近年こうしたITの時代に手書きのXmasや年賀のGreeting cardが流行っていることは素晴らしいことで、自筆のオリジナルのはがきなどは頂いて嬉しい限りです。

ちょっとの隙間で・・・空気を感じ愉しむ?

そんな年の瀬の忙しさのなかを縫って旅に出るとすべてが新鮮で活気がみなぎってくるものです。筆者などはあえて心と身体のリハビリのつもりで出かけるのです。各地の建て主に暮れのご挨拶のつもりで出かけるのですが、道中の情景の見聞や、お宅や施設の使われ方やご意見も伺えるのです。

ちょっと余談ですが・・・先日も京都の建て主をお訪ねしたところあいにく体調を崩されていて、図らずも2時間ほどの時間を得て思い切って高尾山栂尾(とがのお)の高山寺を尋ね、国宝石水院の空間で “鎌倉由来の空気”を堪能し久しぶりに田村執事長にも逢え、日本最古の茶園のお抹茶を一服所望されて師走の凛とした空気の中で心が引き締まったものです。

写真左:晩秋の高山寺表参道の対角の方形石畳の佇まい、中央:国宝石水院 西面拝殿善財童子像・屋久杉の床板、右:鎌倉時代の入母屋造・明恵上人の住居/天野彰
写真左:晩秋の高山寺表参道の対角の方形石畳の佇まい
中央:国宝石水院 西面拝殿善財童子像・屋久杉の床板
右:鎌倉時代の入母屋造・明恵上人の住居/天野彰

机上から外に出かけることで家づくりの思考が広がる

まさしく家づくりやリフォームをお考えの人もこうして各地の家々や友人のお宅を訪ね、その佇まいを伺うだけで思考が広がり、ヒントも得られるはずです。旅は何と言っても自身をその場に置き空気を感じることなのです。

写真や動画とは違ってリアルな佇まいや色あいや肌触り、そして空気を感じるのです。近所の河畔や神社、図書館やホテルでもあればその空間に身を置くなどもその場の空気を感じられ思考が変わるのです。

思い切って住宅展示場やショウルームを訪ねるのも一考です。説明を聴くだけなく、その空間に入って、歩いて、触って嗅いで、空気を感じることが大切です。特にキッチン等を検分するときなどは必ず家庭で使っている自身のスリッパを持参し、ヒールを脱いで実際に調理をするのです。これは床材を選ぶときなども大切です。この真剣さが周りにも伝わるのです。

筆者にとって旅は建築と自己修練の場

私事ですが筆者が家づくりで旅をお勧めするのは前回もお話ししたように学生時代旅をしたことで近代建築発祥の疑問が解け、建築をつくる自身の人間形成に役立った気もするのです。

国境を超えるたびに文化と民族を感じその地の人柄や生活も変わり“西欧の危うい”成り立ちも見えてきて、その伝統こそ芸術運動と近代建築の葛藤であることも理解でき、自身がよそ者の異邦人であることを思い知らされ、わが身、わが文化を顧みることになり、近代建築のカタチを真似することではなくその成り立ちを学ぶこととなったのです。

旅で生きていくための糧を知る!

バックパックと寝袋一つの無銭旅行も、次第に旅費もフィルムも尽き、情景をスケッチブックに描き留めることとなり、ある日デンマークのチボリ公園で、初めてのテーマパークの臨場感を体感し、いつもどおり光景をしたためていると、後ろからスケッチを覗き込む観光客に請われ、その一枚を手放すこととなったのです。まさしく喜ばれながらもの思わぬ収入を得たのです。

以来多く人が訪れる各地の公園などでポストカードスケッチに絵を描き、売ることになったのです。さらに送って喜ばれる絵はがきとは何かと筆とペンを駆使し日本人らしいスキルで、情景も探索する・・・、などとまさに一石二鳥ならぬ“一筆二得”となる。この体験がのちに建築士としての報酬を得る悦びとなった?と思うのです。

次回は南海トラフ巨大地震や首都直下地震が叫ばれる昨今、強い家は伝統の合理性からをお話ししたいと思います。

皆さまこの休暇の間に、家からちょっと外に出て客観的にわが家を見つめて観ることもよいかもしれません。よいお年を迎えられますよう。

写真左:ドイツ・ライン川沿いのブラウバッハ (Braubach)のマルクスブルク城 (Marksburg) 12世紀建造、負け知らずの城(現世界遺産)売れ残ったスケッチ(画:筆者)、中央:ドイツ・デュッセルドルフ・テッセンハウス(Tessenhausu)SOM設計超高層(後にミラノのピレリ―、東京ミッドタウン、ドバイのブルジュ・ハリーファ設計) (画:筆者)、右:ローマ・テルミニ駅に辿り着いた!疲れ果てた変な旅行者 若い筆者/天野彰
写真左:ドイツ・ライン川沿いのブラウバッハ (Braubach)のマルクスブルク城 (Marksburg) 12世紀建造、負け知らずの城(現世界遺産)売れ残ったスケッチ(画:筆者)
中央:ドイツ・デュッセルドルフ・テッセンハウス(Tessenhausu)SOM設計超高層(後にミラノのピレリ―、東京ミッドタウン、ドバイのブルジュ・ハリーファ設計) (画:筆者)
右:ローマ・テルミニ駅に辿り着いた!疲れ果てた変な旅行者 若い筆者/天野彰

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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