住宅関連記事・ノウハウ
2026年1月26日(月)
家づくり出会いと縁5 構造と仕組みで見積もる
はじめに
新しい年が始まり、ちょっと落ち着いたかと思えばいきなり衆議院の解散とか、あいも変わらぬトランプ旋風や強烈寒波襲来などと内外とも忙しく、筆者の設計事務所も新年そうそう建築コストの高騰や資材や人件費などで見積もり調整に奔走をさせられているのです。
もともと筆者の事務所はデザインやその強度はもとよりコストの軽減につとめ、住まいの新築やリフォーム、さらには賃貸住宅や老人施設などととことん詰めてやりくりをするのです。どこぞの?量販店の歌い文句ではありませんが…、見映えより“割安”に建て、建て主によろこばれて来ているのです。しかしさすがにこのご時世のコストアップには四苦八苦です。
建物の修復工事で構造の仕組みとコストを知る
筆者の最初の建物づくりは台風によって壊された住宅の修復工事がスタートで、どこが原因で壊れて崩れたのか、柱と梁の接合さらにはそれらの各部材の強度、そこにかかわる人の数と時間、そして断熱や外壁さらには屋根防水や屋根材などの耐性と各コストなど、すべてをばらして改め組み立てるのです。まさにこの修復工事で学び得た構造と仕組みをばらして改めて組み立てるための人出と資材の見積もり法です。
こうした修復工事などで学び得たことは建築の構造の合理性と持続可能な信頼性、そして今後起こりうる揺れや水害など事象を想像してそのコストを知ることでもあるのです。コストとはただ“抑える”ことではなく掛かる費用仕組みを根本から見直すことで、それは建築の合理性と費用との合理性を探ることにも繋がっているのです。
構造とその仕組みの合理性から建築のコストが見えてくる
破壊の状況を検証し自身の目で見ることで改めてその応力を直に感じ、棟梁たちとも相談し、新旧技法を取り入れ、さらに補強の費用も組み込み、大きな負担を掛けることなく、当初のデザインに再建や改善をするのです。
こうしたことから筆者の事務所のスタッフはキャリアとは関係なく誰でも否応なくリフォームの現場から始めるのです。特に水回りや雨漏りなどの部位を調べ、家の状況と骨組みを基礎から診て、その上で仕上げや設備とその経年変化までも計り知るのです。
まさに生身の家の解剖とも言え、どのように建物が“組み上げられて”いて、掛かる手間や材料が見えて、その全体のコストが見えてくるのです。

前回お話しの清水寺の舞台床縁甲板の修復現場から懸崖構造の木組みの全様と無数の貫(ぬき)とさらにその貫を締める楔(くさび)など常に見えるメンテナンス手法などシンプルでこの木組み構造の柔軟さを学びました。こうした構造の木造は東日本の津波に押し勝っていた建物もあり驚きでした。のちにこの柱梁をゴム膜筋交いの実験をし、その強靭さと吸震性に驚きました。

積算とは”積む”足し算ではなく組みたてる“組算” ?
修復工事で、積算とは物や工事を積み上げることではなく、部材や手間を一から組み上げる“組算”であることを学ぶことができたのです。この家の修復工事の際には、建て主所有の空き地に集合住宅の設計を依頼されることにもなったのです。
しかし総工費の7割ほどの融資額の範囲でなどと言う厳しい条件でもあったのです。欧州の無銭旅行から帰ったばかりでル・コルビュジエのユニテ・ダビタシオンの衝撃的な想いが頭にあり、そんな集合住宅の再現の機会と、挑戦することになり、これがまた部材と手間をどれだけ少なくするか、不要なものは何かといった組み上げです。
さっそくユニテ・ダビタシオンを参考に3mほどの最小スパンながらすべてのユニットに陽が当たるメゾネットのコンパクトプランの住居とし、あのル・コルビュジエの「住宅は住むための機械」の開放感と住環境づくりの実践を目指したのです。
次回は果たしてどんな建物が建つか、さらにローコスト手法をお楽しみに。
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