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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 「エンプティネスト」は災害に弱い

「エンプティネスト」は災害に弱い

子育て後の住まいのリスク

阪神淡路地震では、子育てを終え手入れの行き届かない家に住み続けた高齢者世帯が、家の倒壊による圧死や、家具の転倒、開かないドアによる焼死など、多くの犠牲者を出しました。東日本大震災の津波被害とも共通する点として、高齢者世帯の家の補強や環境整備が最重要であることが改めて示されました。

住まいの変化とリスク

子育てのために建てた家は、人生全体から見ればほんの一時です。子どもたちが巣立った後の家は“エンプティネスト”、つまり「空の巣」と呼ばれます。しかし、家は夫婦が生活を共にする場所であるべきです。残念ながら、実際にはそのような家が多いのが現状です。阪神淡路大震災では、二階に子どもの荷物を残したまま手入れをせずに住み続けた老夫婦の家が倒壊し、多くの犠牲者が出ました。東日本大震災の津波の惨状仙台市(写真天野彰)

核家族化と老いた家

現代社会では核家族化が進み、少子高齢化に伴い「老いた家」が急速に増加しています。家づくりの際、夫婦の共通の課題は子どもたちのための空間確保でした。結果として、誰もいないダイニングリビングや物置化した子ども部屋が残る、無駄の多い大きな家が多くなっています。高度経済成長期には、忙しい夫は経済的合理性ばかりを優先し、妻は子育て中心の家づくりに終始しました。その結果、将来の夫婦の生活まで見据えた家づくりがなされなかったのです。

「夫婦の家」をつくる

夫婦が主役の家づくり

イラスト:照明の演出(画:天野彰)
イラスト:照明の演出(画:天野彰)

新築もリフォームも、主役は家を建てる夫婦です。最後まで住むのは夫婦なのですから、この機会に老後の生活を見据えて、家をどのようにしていくか、夫婦で話し合う必要があります。これからの家づくりでは、夫は経済シミュレーション(建築費、維持費など)、妻は日常生活の演出と役割分担が重要です。介護や同居の問題も考慮に入れなくてはなりません。妻任せにして失敗するケースも多いです。家づくりを機に、お互いの考えや将来への見通しを話し合うことで、夫婦関係の修復につながることもあります。家づくりは、結婚、出産に次ぐ第3の試練であり、長い人生のスタートでもあるのです。

住まいの変化と「愛の時計」

子育て優先の家は、子どもたちが巣立った後、抜け殻のようになってしまいがちです。人生をアナログ式の「住まいの時計」で見てみると、家は育児型、社交型、養老型へと15年ごとに変化します。子育ての期間は短く、老後が長いことがわかります。この「愛の時計」で、家が「夫婦の家」であるべきことが明確になります。

「男と女の家」

夫婦の家で忘れてはならないのは、大人の「男と女」の空間です。リビングは「大人の空間」となり、子どもたちはそうした親の姿を見て成長します。「夫婦の家」は、気を抜くと殺風景になりがちです。意識的に生活空間を豊かにすることが大切です。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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