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住宅アドバイザー 辰巳 渚 いい家とは気持ちが長もちする家 !長もちする家を作るヒント

いい家とは、気持ちが長もちする家

はじめに整理しておきましょう。「いい家」とはなにか。ハードの面から見れば、ごくシンプルな正解があります。それは、建築物として長く住みつづけることができる家。いわゆる欠陥住宅ではなく、地震などの災害にも強い、安心して住める家です。日本では、まずは、ハード的な「いい家」に誰もが住めるように、建築基準法などの法律でしっかりチェックしてきました。最近の「長期優良住宅」の認定制度も、その流れにあります。現代の日本では、安心して家に住むための基本条件であるハード面の整備は、たいへん厳しい基準で整っていると言っていいでしょう。

ハード面いい家とは、構造的に長もちする家

ただ、ハード面だけでは測れない、ソフト面での「いい家」とはなにかが問われるようになってきているのが現代でもあります。

ソフト面とは、どういうことでしょうか。要は、その家に住む人が、その家でしあわせに生きて暮らせるかどうか、ということです。家は、単なる箱ではなくて、住む人がそこで日々を営む場です。住んでいる人が、そこで食べ眠りトイレに行き風呂に入り、家族とくつろぎ友人と語らい一人もの思いにふける、その時間がここちよく、「ここが私の居場所なのだ」と思えるいごこちのよさがえられるかどうか。さらに、人は変化するものです。働き方も、健康状態も、趣味や好みでさえも、変化する。家族も同じように変わっていく。その移ろいを家が包みこんでくれるかどうか。住みはじめて1か月後には、「ここは使いにくい」「もっとこうすればよかった」と後悔したり、3年後には「いまの家族の暮らし方に合わなくなってしまった」と困ったりしないかどうか。ソフト面いい家とは、気持ちが長もちする家。一言で言うと、ソフト面からみた「いい家」とはこういうことでしょう。家探し・家づくりをはじめて、わからなくなってしまうのは、この部分なのです。

いい家とは、気持ちが長もちする家(写真:野寺治孝氏)
いい家とは、気持ちが長もちする家(写真:野寺治孝氏)

しあわせを測る物差しを手に入れる

ハード面は目に見えるし誰でも数値で測れます。けれど、ソフト面は目に見えず誰にでも測れるわけではない。ソフト面を測る物指しの目盛りは数値ではなく、本人のしあわせの感じ方です。測れるのは、しあわせを感じる本人だけです。しあわせの目盛りは、「私は、こうしていると満足だ」「私は、こういう物が好きだ」「こんなふうに家族で生きていきたい」といった、自分の生き方についての願いによって刻まれています。そして、その願いとは、いまを生きている本人のなかに息づく「しあわせな空間の記憶」が生み出すのです。

次回から、そんな「しあわせな空間の記憶」にもとづいた物指しを手に入れるためのお話をしていきましょう。さらに、この物指しを手に家探し・家づくりをしていくための方法をお伝えしましょう。いつまでも「この家はいい家だ」と気持ちが長もちする家を見つけるために。

株式会社家事塾 代表 辰巳 渚

お茶の水女子大学卒業後、出版社勤務を経て、1993年よりフリーのマーケティングプランナー、ライターとして独立。2000年に刊行した『「捨てる!」技術』で、消費社会の象徴である「物」に対する新しい哲学を提唱し、同書は130万部のベストセラーになる。現在、家事塾での講座やセミナー、講演を通じて、ほんとうに豊かな暮らし方の発信や、生活関連会社・住宅会社へのコンサルティングなど、暮らし研究の第一人者として活躍中。クロワッサン、STORY、ESSE、いきいきなど雑誌及びテレビ等、メディア出演や著書多数。近著に「物の捨て方 のこし方・PHP」 「人生十二相・イーストプレス」がある.

野寺治孝(Harutaka Nodera)

1958年、千葉県浦安市生まれ。本郷高校デザイン科、日活TV映画芸術学院卒業。'76年頃から本格的に写真を始める。'79年地元のアマチュア写真クラブ「集団剣」に参加する。広告デザイナーを経て、'84年にニューヨークを撮った作品を自費でポストカードとして製作販売、これを機にプロの写真家となる。 '91年「スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。国内外を問わず様々な場所をフィールドに独自の視点で捉えた作品を多数発表している。代表作に「TOKYO BAY」「帰郷」「boat」など。 書籍「結婚のずっと前」がベストセラーになっている。なかでも「チルチンびと」の表紙などをはじめとして、「コンフォルト」「ニューハウス」「ミセス(妻、娘から見た建築家の実験住宅)3年間連載」住まいに関する作品の評価が高い。

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辰巳 渚

 家事塾代表 辰巳渚
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