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2026年3月15日(日)
賞味期限切れが起きるわけ(1)~長もちする家を作るヒント
「しあわせな空間の記憶」を生きる家づくり|住宅アドバイザー 辰巳 渚
~ 賞味期限切れが起きる家とは(1) ~
私たちを支えるのは、しあわせな空間の記憶。次の一歩を踏み出す勇気は、しあわせな関係の記憶から生まれます。忘れられない、身体に残り続ける記憶。それは、「思い出」と呼ぶにはあまりにも深く刻み込まれた、私の「いま」そのものなのかもしれません。

住みはじめてすぐに「賞味期限切れ」が起きる理由
家事や暮らしに関する講座で、多くの人から「家づくり後の不満」を聞いて気づいたことです。以下、実際のケースを紹介します。
ケース1:希望どおりなのに不満が出る
- ・家族の希望をすべて反映してアイランドキッチンや豊富な収納を設置
- ・住んでみたら、動線が悪い・使いにくいなどの問題が発生
- ・希望どおりのため、誰にも不満を言えない状態に
原因は、初めての家づくりで「本当にかなえたい願い」と「業者に伝えた要望」の区別がつきにくいことです。洋服の購入と違い、経験がないため、情報収集すればするほど要望が増え、住んでみないとわからない問題が残ります。
ケース2:完璧に計画したはずが後悔が出る
- ・設計段階で何度もプラン変更し、100%理想と思える家を建築
- ・住みはじめて気づく後悔:ウォークインクローゼットの位置、不要な洗面台など
新しい家を手に入れることがゴールと思いがちですが、実際は**家を手に入れた瞬間から暮らしが始まる**のです。理想の暮らしは、住みながら少しずつ実現していくものです。
住みはじめの完成度は70%で十分
住みながら「詰め」をしていくことが重要です。住んでみないとわからないことは多く、住み手自身が暮らしを通じて家を完成させます。業者が引き渡し時に100%と思っても、住み手が関われない家は、時間とともに価値が下がることもあります。
ポイント:住みはじめは70%完成で十分。100%に近づけられるのは、暮らしの主人公である住み手自身です。
株式会社家事塾 代表 辰巳 渚
お茶の水女子大学卒業後、出版社勤務を経て、1993年よりフリーのマーケティングプランナー、ライターとして独立。2000年に刊行した『「捨てる!」技術』で、消費社会の象徴である「物」に対する新しい哲学を提唱し、同書は130万部のベストセラーになる。現在、家事塾での講座やセミナー、講演を通じて、ほんとうに豊かな暮らし方の発信や、生活関連会社・住宅会社へのコンサルティングなど、暮らし研究の第一人者として活躍中。クロワッサン、STORY、ESSE、いきいきなど雑誌及びテレビ等、メディア出演や著書多数。近著に「物の捨て方 のこし方・PHP」 「人生十二相・イーストプレス」がある。
野寺治孝(Harutaka Nodera)
1958年、千葉県浦安市生まれ。本郷高校デザイン科、日活TV映画芸術学院卒業。'76年頃から本格的に写真を始める。'79年地元のアマチュア写真クラブ「集団剣」に参加する。広告デザイナーを経て、'84年にニューヨークを撮った作品を自費でポストカードとして製作販売、これを機にプロの写真家となる。 '91年「スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。国内外を問わず様々な場所をフィールドに独自の視点で捉えた作品を多数発表している。代表作に「TOKYO BAY」「帰郷」「boat」など。 書籍「結婚のずっと前」がベストセラーになっている。
なかでも「チルチンびと」の表紙などをはじめとして、「コンフォルト」「ニューハウス」「ミセス(妻、娘から見た建築家の実験住宅)3年間連載」住まいに関する作品の評価が高い。
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