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2026年3月22日(日)
えっ?「二世帯住宅」がなぜ「鬼の住み処」なのか?
「二世帯住宅」がなぜ「鬼の住み処」なのか
前回、嫁姑の二世帯住宅は「鬼の住処(すみか)」などと言いました。これには「なぜなのか?」と言う質問や、「確かにそんな経験をして結局別居した」などと言う切実なご意見もいただきました。
そこで今回はもう少し詳しく「二世帯住宅」での生活についてお話ししようと思います。まず「二世帯住宅」は同じ屋根の下で親子家族が上下1、2階で別々に住む例が多いのです。が、物理的にその2戸は余りにも距離は近すぎて、しかも“実の親子や孫だけに”マンションなどは違って互いの音や気配が伝わり過ぎるのです。お互いの交流がうんと積極的でない限り「音はすれども姿は見えず」の親子状態は、イライラが募り、ちょっと顔を見せないだけであれこれ気づかい、それが高じてついには疑心暗鬼となる例が多いのです。
長年核家族の気ままな生活に慣れて来た両夫婦にとってすべてが初めてのことであり、その付き合い方すら分かりません。
そこでてっとり早く、取りあえず二世帯で別々に住んでいれば大丈夫だろうとこの「二世帯住宅」になるのです。あえて互いの生活に干渉すまいと意識するためですが、それが一方には「避けているのか?」とか「冷たい!」とか、ついには「無神経だ!」などとまで思われてしまうのです。これもまだ父親が健在なうちはそんな疑念や不満を夫婦が慰め合っているのですが、その過程で運悪く父親が倒れたりでもすると母親は一気に孤独感が強まり、子夫婦への疑心暗鬼はさらに募り、些細なことでも気にしていがみ合いとなり住みにくくなってしまうのです。
このことを私は二世帯住宅の「バランスの崩壊」と言っているのです。すなわち2×2が2×1となりその片方が「鬼の住処(すみか)」となるのではと示唆しているのです。そこで嫁姑すなわち息子夫婦同居は最初から思い切って一緒に一体で住む方が楽だと言っているのです。つまりしょっちゅう顔を見合わせながら住んで、今まで見えなかった互いの良い所や欠点なども知ってそれを互いに話し合って同居のメリットを生かすことができるのです。 たまに意見の相違や諍いが生じてもいつも一緒だけにすぐに和解もでき、むしろその事によって互いを高め合うことにもなって、さらに親子の関係は深まるようです。そんな中で、もし親御さんに不幸があってもその後も支え合って暮らして行けるのです。

もちろんそのための工夫はこのコラムでも何度も取り上げているように、まずは寝室など互いのプライバシーを確保し、台所などの勝手は“勝手に”できるようにあえて2つ設け、さらに孫の部屋はできるだけ遠ざけるのです。なぜなら子夫婦にとっての大問題は子育てで、世代の違う親に干渉されることをもっとも嫌うからです。特に同居では親の居場所が子どもの“逃げ場”になることがやり辛いのです。これも初めから一緒に暮らしていると親の側も理解が出来、かえってその邪魔にならないように注意するようになるのです。それどころかさらに子夫婦の正当性や苦労などを、わが体験として孫たちに伝えることもできるのです。
これこそがこのコラムで強調する「同居“共働”住宅」の最大のメリットとなるのです。
この親子一体同居がうまく出来そうもなく、自信も持てないようならは互いに無理して「二世帯住宅」などにしない方がいいと思うのです。このことは「スープの冷めない距離」などと中途半端に親の近くに住むのもやめた方がいいと思うのです。かえって「近くに住んで、なぜ顔を出さない?」などの疑念が生じるからです。これは大変な損です。この“損”が親側にはさらに大きく感じられるのです。なぜなら子を思う親の同居への期待の大きさや、家が建つまでの苦労、さらには土地の提供や工費などの金銭も含め「二世帯住宅」の失望とデメリット感が強調されて、ついには爆発することにもなりかねないからです。
これに対して、そんなこととはまったく気が付かず平々凡々と暮らしていた子夫婦は突然の親の豹変に驚くこととなり、またそのことに親の側はさらに怒ることになるのです。まさしく“鬼”となって互いが不幸になるのです。これは同居のメリットどころか親子の関係にまで響く大きなデメリットとなるのです。

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