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建築家 天野 彰 地震に勝つ家負ける家(5)-災害は自己防衛-

災害は自己防衛

あの巨大な岩盤が隆起してできたエベレストを主峰とするピレネー山系のふもとでM7.8級の大地震が起こるとは…。

世界の屋根とも言われなんとなく安定した静寂な最高峰の山脈と思われるのですが、実は81年前にも甚大な被害を出した地震多発地帯だと言うのです。
もとはと言えばインド亜大陸がユーラシアプレートにぶつかって沈み込んで出来た歪の山脈と考えれば、今もなお動き続けていて、いつM8クラスの大地震が起こっても不思議ではないと言うのです。今も被災者が増え続けているようですが、一人でも多くの人が救われることを祈るばかりです。

確かに巨大な山も大陸も地球規模から見ればまるで薄皮の皮膚のようなもので、山脈も多少大きめの歪やイボなどのデキモノのようなものと言えるのかも知れません。

こんな柔らかい軟弱な地盤の地球表面に住む私たちは、まして超高層や住宅がひしめく都心に住む以上はどこに居てもそれなりの警戒心は必要なのです。しかも災害は地震だけではなく、先の津波や台風などの突風、さらには大火災など、もう家を持つこと自体が不安とも言えるのです。

耐震や免振、さらには大火災などのあらゆる災害を想定して家をつくることは至難の業ではありませんが、私は外郭と内皮による「セルフディフェンスハウス」と称し、地震や台風さらには津波にも耐えうる家を長年にわたって提案して来ているのです。

それは、外側は厚いコンクリートの壁で固めその内側に中庭式の木造の家を建てるのです。ちょっと贅沢のようですが、シンプルな箱のような外郭のコンクリートの外壁は仕上げてもその内側は打ちっ放し(やりっ放し)のままで済み、内側の木造表面は仕上げなしの裸で内装だけにすればよいのでトータル費用は強靭の割に意外に割安となるのです。

実は我が家をそんなコンセプトで造ってみたのです。が、さすがに外壁に風抜きの窓はつくったのですが、それでも近所の子どもたちからは「プリズン」などと呼ばれてしまったのです。

写真:「プリズン」と愛称されたわが家(天野 彰)
写真:「プリズン」と愛称されたわが家(天野 彰)

今、もう一つの「外皮のない家」を画策しているのです。それはイラストのように夜間や災害時は地面に沈みやり過ごし日中は顔を出して回転し、まんべんなく陽を取り込み、さらに風を通すのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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