住宅関連記事・ノウハウ
2026年3月22日(日)
家のデザインはどうあるべきか?(3)~家には格式がある?
家は「寝戸」とともに宀に象徴の豕を供える場?家は「国家」
もともと「いえ」の語源には諸説があり、そのなかでも、人が戸を閉めて安心して寝られるところ、の「寝戸」すなわち「イへ」それが転じて「イエ」と言われている。私はそれが安心の「家」の呼称としてすなおに納得しているのだが。しかしその一方で、住む人や家族の都合や快適性だけを求めて来た私たちは、今本来の『家』の持つ意味を忘れかけていることにも危惧するのです。
「家」の文字の起源とは、古来、神仏や先祖を祀る屋根、すなわち「宀」のことで、その下に供えものの生け贄である豚すなわち「豕」などを供えていたこととされる。すなわち『家』はそこに住む家族、あるいは一族の先祖を祀るきわめて神聖な場所でもあったのです。前にお話した『裸足の家』の意味はこうした家の清潔感にも係わるのです。そしてこの『家』はわが家の象徴となって本家、分家、そしてさらに「お家」の存在が形成され、それが今日でもプライドとして各自にあるのです。家族が持つその「お家」の価値観とその象徴性を家族が心に抱きながら「わが家」を求めているのです。
それは俗に言われる財産としての家ではなく、所有権やましてやマンションなどの不可解な「区分所有権」などのレベルではないのです。「家を持つ」こと、もっと大げさに言えば「城を持つ!」そんな気持ちでいることです。
それこそがわが国の家の姿であり、持ち家志向がいまだに根強い原因なのです。その点、行政や家づくりにかかわる設計者や施工者はもっとその格式やしつらえを今に残す家のカタチとしてデザインすることが重要でもあるのです。家を持つ人たちもそのことを最優先に考え、「とりあえずの賃貸住宅」あるいは「仕方ないがマンション」と考えず。デベロッパ-などの住宅供給者の都合に引きずられることなく「わが家はどうあるべきか?」「わが家を持つことの意味とはなにか?」を自ら考えて方針を決めることです。

そんなさ中、「国家」のプライドを損するような国立競技場やエンブレム、さらにはマイナンバーの巨大システムに絡む官僚汚職などの国家の管理責任となるぶざまな事件があい続いて起こり、なんと!しかも今度は多くの国民の命に係わる新たな耐震偽装事件が起こったのです。あの世界を震撼させ、多大な支援を受けた阪神と東日本大震災以来の耐震強化が叫ばれている中、大手住宅供給者や建材会社が、その根幹となる基礎杭や耐震ゴムの強度を偽装するなど、今や「技術大国の心」などの継承はおろか、その大手企業のコンプライアンスさえも管理できない国家となっているのです。

今、わが国の家は国籍不明のデザインやカタチの家に溢れながらも、座敷や床の間風の小上がりや、イラストのような「たった一枚の板の床の間」ででも、守るべき「家」の伝統と格式を家の内外に保ち、先祖より受け継がれている「プライドのある家」をつくり、しつらえを守り、確たる文化を次世代に継承していく心が、安全な「家をつくり」「格式ある家を持つ」ことではないでしょうか。
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