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生かすか壊すか?(7)リフォームor建て替え?
生かすか壊すか?(7)リフォームor建て替え?
―治癒?手術?その診断データーを整理し決断する!―
今の家をこの先どうしたらよいか?思い切って壊してこじんまりした終の棲家をつくるか?あるいは・・・、一部を壊して流行りの減築リフォームにするか?はたまた全体を間取りから大幅リフォームしてその一部を貸して老い暮らしの糧にでもするか?
この答えを出すのはなかなか難しいものです。まずその相談をどこにすればよいか?投げ込みのチラシも何となく不安で、近所の工務店やリフォームの看板を掲げた店に声を掛ければ、近所だけに安心のようだが、反面断ることも難しそう。何よりも家の内情を知られることも気恥ずかしい、などなど。
そこでネットや展示場などで安心そうな窓口に相談をすると、今度は妙に丁寧に対応され、なにか割高になりそうな話しとなり、挙句の果ては家にまで追っ掛けセールスされて迷惑することにもなりかねない。
なるほど考えてみれば、肝心の自分たちが何かを決めている訳でもなく、どうしたい訳でもない。ましてそんな予算を用意している訳でもない。ほとんどの人が地震に対して大丈夫か?この先のわが暮らしにどんな暮らしや家が良いかを知りたいだけなのです。
<イラスト1:わが家の「診断箇所」(家)>
よほどの老朽家屋でない限りまあまあの家となっておりとり合えず、今なんとか住めてこのまま何事もなければそれでいいとも思っているのです。ひと頃インテリアが流行ってシステムキッチンに憧れたりもした時代もありましたが、すでに子どもたちは出て行って、夫も同僚たちを連れて来るような世代でもない。その子世代の若い人たちはと言うと、賃貸から何とか分譲のマンションか、できれば戸建ての持ち家へとの夢もありそうなのだが・・・、それもかつてのように意欲的でもないのです。
<イラスト2:わが家の「診断箇所」(地盤)>
こうして今、全国の各都市の都心部にあるかつて憧れの住宅地に何百万戸の空き家が増え続け、さらにその数以上もの高齢世帯が空き家予備軍となっているのです。まさしくそれらをドーナッツ状に取り囲むかのように働く世帯が張り付き、相変わらず過酷な通勤をしているのです。これはわが家どころか大きな都市問題でもあり、国家的損失の社会問題でもあるのです。
私たちの住まいは今、自らの老後不安とともに都市の中での存在を、もう一度根底から考える時が来ているのです。まさに身体と同様、住まいの健康診断さらには予防診断が必要となっているのです。

(1) 地震・台風やそして津波などの大災害に強そうか(安全安心)
(2) 夫婦・家族の関係がいいか (間取り・プランニング)
(3) 主婦が健康で若返りできそうか (疲れない動線)
(4) いづれいざとなったら子夫婦・親夫婦と住めそうか (同居・賃貸)
(5) 家族のそれぞれの居心地がよいか (家族の居場所・場取り)
(6) 寿命が延びそうか (化学物質の有無・環境)
(7) 最後までわが身を支えてくれそうか (自助・自立・設備)
(8) 風の通りがよく家相も気にならないか (心理的生理的安心感)
(9) 夫婦には広すぎないか (減築・省エネルギー)
(10) メンテナンスが行き届くか (末永く家を診てくれる主治医の有無)
以上「10のチェックポイント」です。5ポイントを満点として最高50点。
35ポイント以上であれば身にも心にも“安全で安心な家”なのです。
長い人生の自分と環境の変化を考え、住まいは構造や設備はもとより
家族が互いに住みやすいか?この先いくつになっても“居心地がいいか“
“老いて安心ができるか” が重要なのです。
雨漏りがしたり、大きな地震が来て初めて何かをしようとするのではなく、今改めてわが家の価値を知り、わが身わが暮らしの老いに向けて、家はもとよりその周辺を“診つめ”さらにわが人生を考えてどこを“補強”して、どこを“守る”か?あるいは、今元気なうちに思い切って“大手術”をするか?の予防医学の時代となったとも言えるのです。
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