住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
15度を超える室温でも、冷え症の方々は不快に感じる
はじめに
さて、冷え症の方々には辛い冬において、室内温熱環境や室内温度差が冷え症をお持ちの方と非冷え性の方に与える影響を生理的・心理学的な側面から詳細に比較検討する実験結果が公開されています。※1
この実験結果によりますと、冷え症にお悩みの方ほど住宅の断熱性能を高めておかないと、快適には過ごせないことはもちろん、気温の変化によって急激に血圧が上下してしまい、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こる(ヒートショック)可能性が高まることが発表されています。
冷え症の方は、6℃以下の温度変化も「不快」に感じやすい
20歳代~40歳代の女性6名(冷え症者3名/非冷え症者3名)が外気を模倣した人工気象室内で行なった実験で得られた知見ですが、心理的測定結果において興味深い結果が示されました。
室温21度程度に暖房された部屋から、室温14度・16度・18度の暖房されていない部屋に移動すると、手・足の「指先皮膚温」はそれぞれ低下するようですが、暖房されていない部屋の室温が最低15度以上あれば、手/足末梢の皮膚温は不快域とされる18℃以下にはならないことが示されています。
ただし、心理的な側面で冷え症の方が感じている暖かさ・冷たさと快適か不快かという感覚について観ると、室温が15℃以上でも「不快」と申告する方が大半であったことが述べられています。
つまり、冷え症の方は手足末梢の皮膚温が高い場合でも、一日中かなりの冷えを感じているのです。逆に、非冷え症の方では全身の寒さを比較的不快に感じにくいことも示されています。
これは、住宅の断熱性能が向上して暖房されている部屋と暖房されていない部屋の温度差が6℃以下であったとしても、冷え症の方にとっては寒い部屋でありその寒さ感は、非冷え性の方には実感してもらえない、ということです。
非冷え性の方には快適な室温だとしても冷え症の方にとっては寒くてたいへんということです。※2

住まいの「断熱性能」を向上させる住まいづくりが冷え症の方には必要
あわせて、非冷え性の方は周囲の温度変化にとても敏感に反応しますが、冷え症の方は急激な冷えを感じてしまうと、終始冷えを感じたままになってしまうそうです。これは、暖房されていない部屋の温度差が6℃を超える場合でも終始「寒い」という感覚が変わらないことから周囲の温度変化に対し敏感ではなくなってしまい急な室温低下に対処しきれずヒートショックを起こしてしまう可能性が高まるということです。
ヒートショックは65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病などの動脈硬化の基盤がある方、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈をもっていると影響を受けやすくなります。
冷え症をお持ちで、上記のような不調をお持ちの方ほど、医療保険はもちろん新築・リフォームのときに住宅の断熱性能を向上させることは、高い優先順位になることは間違いないようです。
※1 出典:日本建築学会環境系論文集 第80巻 第709号 2015年3月「冬期住宅における冷え症者と非冷え性者の生理心理量の比較」詳細はこちらから
都築 弘政/齊藤 真理子/田辺 新一 著
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