住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
疾患を抑えるために、断熱性の向上が重要
はじめに
ある程度の年齢にさしかかると気になる方々も多い「血圧」。血圧は、年齢・性別・生活習慣の要因だけではなく、住まいの室温にも大きく影響されます。室温と家庭血圧の関連についての調査によると、年齢・BMI(肥満度を表す指数)・性別と血圧の関係に加えて、居間・寝室の室温との間にも大きな相関関係が見られることがわかりました。(※1)
室温を適正温度に保つことで、血圧をおさえる
この調査によると、室温が10℃低下すると60歳の方は起床時血圧が3.8mmHg上昇し、70歳の方では起床時血圧が5.5mmHg上昇していることから、高齢者ほど室温が血圧に及ぼす影響が大きいことがわかりました。あわせて、山口県・高知県の実測調査では、低断熱住宅では高齢者の高血圧者の割合が高くなっています。平均10℃低い家にお住まいの方の起床時血圧は3.8mmHg高く、個人レベルでは、さらに1.9mmHgも高いことが示されています。
住宅内の室温が外気温に比べ1℃低い環境化では、収縮時血圧が0.38mmHg高く、平均室温が1℃低い住宅に住んでいる方は、同じ室温下であっても収縮期血圧が0.19mmHg、拡張期血圧が0.23mmHg高いことがわかりました。
つまり、食生活や生活習慣病の改善で血圧を抑えることはもちろんですが、寒い住宅に住み続けることで血圧が高くなってしまうことが証明されていることから住宅の断熱性能を高めるだけでも、血圧を下げることができる可能性があるわけです。
高血圧が問題視される理由は、みなさまご存じのとおり脳血管疾患と心疾患(虚血性)の4つの危険因子(※2)のひとつとして捉えられているからですが1.5mmHgも血圧を低下させることは、並大抵のことではできません。(※3)
別な調査では、寒い住宅の10年後高血圧発病リスクは6倍を超える調査結果(※4)も発表されている一方、(0時に18℃未満の住宅居住者高血圧発病リスクは6.67倍)断熱化で室温が平均2.7度上昇したのに対し最高血圧は同1.0mmHg低下し、室温が上がるほど血圧は下がる傾向がみられました。(※5)
ほか、暖かい住まいに住むことで健康寿命(要介護ではない)を4歳延伸させる可能性も発表されています。(※6)
寒い住宅の弊害とは、ヒートショックによる影響はもちろんですが高血圧に代表される慢性的な疾患を引き起こす大きな要因にもなるわけです。高齢者と呼ばれるみなさまはもちろんですが、親御さんといっしょに住む計画を抱いているみなさまも、親御さんの将来的な健康維持を考えて住宅の高性能化を真剣に考えることも、間取りや耐震性向上と同じように大切なことであることは間違いないようです。
※1 出典:日本建築学会環境系論文集 80(715), 703-710, 2015「マルチレベルモデルに基づく室温による家庭血圧への影響冬季の室内温熱環境が血圧に及ぼす影響の実態調査 (その2)-」詳細はこちらから
※2 出典:健康日本21(第二次)厚生労働省詳細はこちらから
4つの危険因子として、高血圧のほか、脂質異常症・喫煙・糖尿病が挙げられています。
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