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2025年11月29日(土)
夏を涼しく(4)涼しさとは物理学と心理学の結晶?
はじめに
わが国の都市の住まいは「光」と「風」と「時」を軸として、恵まれた四季折々の朝な夕なの情景がすべてのテーマで、しかも夏を旨とすべしなどと書きながら、思わぬこの夏の、あまりに不純な天候の夏となり、まさに気分も体調も筆を進める元気も無くしました。
が、気合を入れて、思い直して改めて家々を見てみると、なんとどの家もそんな気候の変化などどうでもいいような家ばかりであることに気が付いて驚いたのです。
箱の家ばかりの現代、季節の変化を感じられない
よく言えば断熱の効いたベニヤ板とスレートサイディングの全天候型?の箱の家ばかりで、集合住宅は土地利用の効率的な?空へ空へと伸びる?鉄筋や鉄骨の高層マンションばかりなっているのです。
しかし、思えば、750年前の兼好法師がこのありさまを観たらいったいどう思うことかと考えると悶絶どころかきっと気絶をするに違いない!そう考えると、さらにその変化が見て取れるのです。柱と屋根だけの傘の家が一体どうしてこうも変われるものかと確かに不思議と言えるのです。なるほど今年の夏は別としてこうして次第に秋となり、やがて春が来るのです。大きく日本の気候は変わってはいないのです。人々もいろいろなでき事があったにせよその本質は変わっていないはずです。
しかし現実は季節のない家ばかりとなり、大小はあっても皆同じ家で、そこで人は同じように暮らし年を取るのです。この当たり前のことが長年に渡って受け継がれ人々は変わっていないはずです。
四季の変化に合わせて工夫された昔ながらの「京町屋」と集合住宅「長屋」
それこそ四季の変化によって、人々はそれぞれ家を建て、そして生活しながら工夫をしてきたのです。

写真1:日射を避け、風を呼び込む深い庇の家(設計:天野彰)
中でも「夏を過ごす」ことは大きな課題であり、それは「物理」であり、「心理」であると分かっていたのです。そこに京都の町家があり、商家には梲(卯建)ができ、農家では茅葺きの合掌造りが生まれ、さらに江戸の密集地では長屋の文化が生まれ、寄り添って暮らす独自の集合住宅が生まれたのです。
自分の家は自分で創り、自分で守る!
それらがそのまま日本人の心となり人格となっているのです。今それに戻ろうとするのも何ともナンセンスな話しのようなのですが、
ちょっと工夫して自然に「夏を過ごそう」と考えるのです。

イラスト1:わが国の住まいの原点高下駄の“葦の丸屋”(画:天野彰)
すると古人の知恵と暮らしが見えてくるはずです。
そうです。それこそが電気が停まり、年老いて一人になったときを考えるのです。

イラスト・写真2:夏の装い(画:天野彰)
その気持ちだけでこれから暮らしていく私たちの家はどうあるべきか、メーカーや人に頼らず、自分だけで自分の暮らしをちょっと想像してみるのです。地震も台風もさらには火災に見舞われるかもしれません。しかし自分の家は自分で創り自分で守るのです。その気持ちだけで、現代の家探し、家づくりそしてリフォーム計画が変わってくるのです。
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