住宅関連記事・ノウハウ
家づくりの方法(5)敷地に“テント”を張って住む?
―方眼紙に家族を詰め込むのではなく、一人ひとりを包み込む柔軟性が必要―
家を建てるとは何よりもその「あるじ」を第一義に考え、さらにはその核となる「夫婦」のそれぞれのベクトル(思い=方向と強さ=量)を優先し、活発なモーメントを“誘発”できることとお話しました。
なんてことはありません。従来のように方眼紙の間取り中に家族を押し込むのではなく、家族それぞれを包むまさに生物の細胞形成のような細胞膜のような家であると言うことなのです。それは極めて薄いもので更に柔軟なイメージなのです。
○今回のポイント 1 家族それぞれの「場」を配置する
○今回のポイント 2 家族の配置を決めてから、空間や階段、廊下を立体的に継ぎ足す
○今回のポイント 3 生涯に一度の家づくりだからこそ 覚悟を持って取り組む
家族でゲームのように「場」を決めることから始める
ますます難しくなったような気がしますが、そうではありません。各人の居る場所とその必要設備をバラバラのコマにして家族でゲームのように敷地の中に並べるのです。(参考:イラスト)これを夫婦あるいは子どもたちと一緒にワイワイと楽しくやればいいのです。敷地からはみ出るかも知れませんがそんなことにかまわず何よりもそれぞれの「場」の配置を優先するのです。
<イラスト1:敷地図に住まいの「場」のパーツを並べる(画:天野彰)>
<イラスト2:家族で楽しく「場取りゲーム」(画:天野彰)>
こうして家のそれぞれの場の繋がりが議論され自分たちの動きが見えてくるのです。まさしくこれこそが「動線」です。
さらに敷地の広さやロケーションを考え、そこから見えるものさらには外からの音や視線などを考え、さらに太陽や風などの自然を考え修正するのです。こうして二階あるいは立体的に配置を考え、そこに階段や玄関ができて行くのです。まさに細胞が増殖していくような「生きた家」が生まれてくるのです。
新築する敷地にテントを張って暮らしを体験すると見える日常も重要
さあ!この段階で…、家族で一緒に敷地に住んでみるのです???・・・、そうです。まさにキャンプ湯にテントを張って住むのと同じです。ちょっと気恥ずかしい気もしますが、隣人にきちっと挨拶をして断って敷地に“住む”のです。
すると周りの人々の生活、騒音、さらには虫の音や遠くの電車の音や騒音など、朝には子どもたちの通学の声なども分かるのです。
<イラスト3:敷地に実際に「住んでみる」(画:天野彰)>
そうです。これから何年も住む家です。家づくりは生涯に一度か二度しかない大事業です。世界に一つしかない家を目指すのです。これくらいの勇気と覚悟が必要なのです。
次回は「ライフステージを考える」です。
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