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建築家 天野 彰 生かすか壊すか今の家?(6)ちょっとの減災意識で都市を救う?

はじめに

まずは今の家の周りの環境や景観、そして家の中のごちゃごちゃです。しかしさらに関心事は耐震です。なんとなく新築は新耐震基準で出来ているため安心のようですが、リフォームでも耐震強化はできるのですがどうしても割高となります。特に地盤と基礎部分の強化は高額となります。住まいのある場所の地盤によって揺れ方が違い被害も変わります。

そして、とうとう大都市圏に直下型の地震が起こりました。この国に住む以上地震はもとより台風そして津波は防ぎようがありません。さらに近年は火山の噴火や爆発までが災害の脅威となっているのです。

「あきらめる」ではなく、日頃の心がけで災害は変わる

長年家づくりに関わって来て、特に耐震・耐火など防災に心がけて来たのですが、便利で人が集まりやすい都市の平野部の活断層やあの巨大津波には愕き途方に暮れたものです。どんなに快適で住みやすい家も大地震であえなく倒れ密集しているだけに隣家から延焼してしまっては、家はおろか命を失うことにもなりかねません。また今回の大阪北部の震源は熊本のように繰り返しの余震や、液状化も心配です。何よりも大都市では人身被害もさることながらライフラインが停まることです。これにより多くの企業が停止し産業が落ち込み、多くの被害が長く続きます。

なによりも熊本地震やあの東日本の大地震にしてもかつての阪神・淡路地震にしてもあの恐怖の揺れの体験と、長く続く余震による避難生活の不安や不自由さ、そしてその建て替えや修復予算の多額の出費を迫られ、ついにはその街と家を捨てた人も多いのです。

しかし東京をはじめ、大阪、名古屋などの大都市圏の人々は幸いにも多少のライフラインの停止を経験しているものの、そんな各地の惨状をテレビで目の当たりにしながらも相変わらず、あれは“対岸の火事”か?あるいはもしあのような地震が来たら、“あきらめるしかない”などと開き直っている人も多いのです。

とんでもありません。防災はいや、あえて減災はそこに住む人の心がけ次第で、しかもちょっとした工夫とわずかな費用で今の住まいを安全で耐震補強でき、家族や市民の命を守ることができるのです。あの悲劇的なコンクリートブロック塀がそれです。これはどの町にも、どの工作物にも言えるのです。日ごろの心さえあればちょっとの見回り、少額の予算で可能なのです。

市町村で危険な箇所を事前にチェックする

そこでわが家が建っている街やその位置、そしてその地盤がどの部分に相当するかを知ることも大切なのです。その方法は、各市町村にあるハザードマップ、さらには海抜を示した地形図を入手し、新興宅地であれば申請に使った造成図を見せてもらうか、担当した施工者に問い合わせることが手っ取り早いのです。さらに造成が古い宅地の場合ではその団地や敷地周辺を散歩しながら、やや離れた対面の高台などから眺めて見ますと、もとの山(地山)や原野の成りがおぼろげながら見えてわが家が削られたところか土盛りされたところかなどが分かります。

地盤によって揺れ方が違う
イラスト:地盤によって揺れ方が違う(画:天野彰)

難しい地盤も、構造も家族と散歩で避難経路の確認し、周辺の道路のひび割れを探し、危なそうな電柱や歩道橋など市民側から問い合わせをするのです。こうして家族も通学はもとより避難経路となるところの塀や歩道橋などの安心もでき、市町村も無駄な費用を掛けず、ピンポイントで調査修正が可能となるのです。

こうした聞き取りによる新たな官民国の防災システムで、都市圏では幹線や高架道さらには水道経路などの不備も知ることができるのです。

わが家の不備は誰でもわかる “目”?
イラスト:わが家の不備は誰でもわかる “目”?(画:天野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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