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建築家 天野 彰 人生百歳の家とは?(2)心と身体の健康と命を守る家?

はじめに

自粛、自粛と日々外出自粛が要請されています。住まいの中に長時間居て、しかも家族一緒で、いかに健康を保ちさらに安らぎも与えられるか。まさに今こそ本来の住まいの真価が発揮される時です。
住まいの持つ不思議な力、はるか昔から木と土と紙の自然素材だけで“粋や雅”と“侘び寂”の心理的両面を唱えて来たわが国の家は本質的に健康と心の安らぎを与えるものでした。しかも自然災害や敵襲あるいは火災に対しても懲りることなく、幾度となく同じ工法で建替えて来たと言う不思議があります。

木と土と紙の家を見直す。

改めてこうしてわが国の家づくりの歴史を見てみると、宮殿や城郭にしても、なるほど石やレンガやタイルなどいくらでも多用出来たはずながらあえて土蔵などの漆喰壁の腰回りにだけ平瓦の生子(なまこ壁)を施した程度で、しかもそれも雨掛かりから漆喰を保護するだけの用だったものです。時代が進み西洋からレンガ造やコンクリートが入ってくるとやむなくそれを使い始めそれでもなお、わが家だけは木と土と紙の木造に徹していたのです。その理由は何よりも通気と風通しを重視していた故のことです。

それが集合住宅となり住まいを積み上げるためにやむなくコンクリート造となり、なんと一戸建てまでコストと軽敏さのためにベニヤ板造の家となり、しかも壁が主の窓の小さな欧米式の家となったのです。それは耐震、耐風さらには断熱効果もあり一般的な住まいの形になったようですが。

アクティブな家づくりの発想こそ心の健康を維持する!

今こうして、長時間住まいに留まらなければならないとき、会社勤めだった人たちが今改めて家の閉塞感を感じていると言う。なるほど窓を開けて風を通そうにも、窓が大きく開かず、壁の多い家は天井も低く声も響き、圧迫感も大きい。

天井を抜き無垢の木のつけ梁と障子や照明でリフォーム2案(設計:天野彰)
天井を抜き無垢の木のつけ梁と障子や照明でリフォーム2案(設計:天野彰)

と言って、今急に柱と屋根だけの開放的な家にすることは不可能としても、このウイルス騒ぎが収束したら、さっそく天井を引き剥がし、少しでも高くし、さらに壁にもう一層の無垢の板張りや漆喰壁を施すなど、思い切ったスケルトンリフォームをしよう!と言うアクティブな“構想”を家族皆で考えてみたいものです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

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