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部屋の間取りを種類ごとに解説!一人暮らしや2人以上の家族におすすめの間取りもチェック
ここでは、注文住宅で必ず決める「間取り」について基礎的な知識をご紹介します。
1R、2DK、3LDKの数字とアルファベットの意味や、間取りを考える際のポイントや家族構成などから選ぶべき間取りなどもご紹介します!理解が深まることで、家づくりの検討がスムーズに進みますよ。
1.間取りとは?
間取りは1R、2DK、3LDKのように数字とアルファベットの組み合わせで表記される、住宅の部屋の配置のことを指します。
たとえば
・1Rはキッチンと居室に仕切りがなく一体化となっているワンルームタイプ
・Dはダイニングルーム(食事をする場所)
・Lはリビングルーム(居間)
・DKは、ダイニング・キッチンが一つの空間になっています。キッチンにテーブルを置いて食事もできる程度の広さの部屋
・LDKはリビング・ダイニング・キッチンが一空間になっています。DKよりさらに広くソファなどの家具も置けるほどの広さのリビングをもつ部屋
アルファベットの前の数字はDKやLDKを除いた居室の数をあらわします。3LDKは「独立した3部屋にリビングダイニングキッチン」がある間取りということです。DKとLDKの広さについて、明確な線引きはされていません。一般的に、居室1部屋ではLDKは8畳以上・2部屋以上の場合はLDKは10畳以上が目安となっているようです。
この他、3LDK+Sのように「+S」という表記もたまに見受けられますが、「S」とはサービスルームを指します。サービスルームとは、採光が不足して居室とは認められないものの納戸やフリースペースとして使える部屋を指します。
2.間取りの種類
一般的には1LDKから5LDKまで。家族構成や土地、家の広さによって、各々の住宅の間取りは大きくかわります。
■1LDK
1LDKとは、8畳以上のLDK+1部屋のある間取り。一般的に居室は寝室として使用し、それ以外はLDKを使う方が多いようです。面積はそれほど広いわけではありませんが、寝室と生活スペースを分けられるので家具や家電、インテリアなどのレイアウトを好みに合わせて配置できます。
■2DK
2DKとは、DK+2部屋のある間取りを指します。ダイニングルームの広さは、ダイニングテーブルを置いてもそう窮屈な思いをしない6~10畳以下の部屋になります。
なお、DKの広さの定義は間取りによって異なります。
2DKは、使い方次第でワンルームにも1LDKにもアレンジできるので、一人暮らしや二人暮らしはもちろん、レイアウト次第ではなんとかファミリーで暮らすこともできます。二人暮らしの場合は2部屋をそれぞれの個室にしたり、寝室と仕事部屋で分けたりした使い方が多いようです。
■2LDK
2LDKとはLDK+2部屋で、リビング含めて合計3部屋ある間取り。
DKには、ダイニングテーブルや冷蔵庫、食器棚といった大きめの家具や家電を配置できます。大きな家具や家電を配置しても部屋がギチギチにならないのは、2LDKからが基準になります。
■3DK
3DKとは、DK+3つの部屋の間取り。3DKは居室ごとに仕切りとなるドアや引き戸があります。よって、広いスペースを希望する方には不向きかもしれません。また、ダイニングキッチンの広さは明確な基準がありません。4.5帖以上8帖未満となっていたり6帖以上10帖未満となっていたり。3DKといってもいろいろな広さがあるので要注意です。
■3LDK
3LDKとは、LDKに加え3つの部屋がある間取り。
3LDKと3DKの違いは、リビング・ダイニング・キッチンに間仕切りがなく、ひと続きになっています。DKと比べてLDKの方が広く感じられますが、明確な広さの決まりはありません。ただ、ダイニングとリビングがつなげることで、食後にリビングでくつろぐことも、食事をしながらテレビを楽しむ事もDKよりは容易といえます。
■4LDK
4LDKとは、LDKに加え4つの部屋があるため、1~2人暮らしよりは家族4人以上で暮らす場合に向いた間取りでしょう。仮に使わない部屋があるときは、納戸や客間などに利用できます。4人家族なら1人に1部屋なので、テレワーク(在宅勤務)の際も便利ですね。
子供が独立して部屋が空いたときなど、将来のことも見据えた間取りの選び方もできるのが、4LDKの魅力。それぞれの部屋を用途ごとに分けることもできるので、夫婦2人でさらに快適な暮らしを実現できます。
3.家の間取りの考え方~家族構成やライフスタイルから考える
point1:間取りを考える前に大切な2点
間取りの検討に入る前に、まず固めておかなければならないことが2つあります。絶対に外してならないことは、『家づくり予算』と『スケジュール』が明確になっていること。。間取りを検討する前に家族で話し合って決めておきましょう。
まず家づくり予算とは、「いくらまでなら生活に負担なく住宅ローンを払っていけるか」。上限予算が定まっていないと、間取りの方針が定まりません。
スケジュールは、「いつまでに入居したいか」ということ。いつまで入居するか、ということを決めておかないと、決断することができません。
point2:土地の形状にあった間取りを考える
家族にとって暮らしやすい住まいにするためには、まず、その土地にあった間取りを押さえておくこと。これが家族の要望より大切なことです。
では土地にあった間取りとは何かというと、わかりやすい例として、玄関の位置ひとつにしても、道路に面していないととても不便ですし、防犯上の観点からも玄関が人の目線から離れた死角になることは良くありません。
つまり、土地の方角や前面道路の位置を正しく把握して、それに合わせた間取りを考えることが重要です。
もし、間取りのイメージがつかめないときは、周辺の住宅を見てみましょう。外から眺めるだけでも、どの方角にどの部屋があるのかというイメージを掴むことができます。
point3:周辺の環境も合わせて考える。
続いて、計画地の周辺環境を確認します。
人通りが多い道路に面しているならば、外部に開けた間取りよりも外部からの視線を避けるほうが、周辺の視線を感じることなく安心して暮らせます。逆に森林に囲まれた静かな土地であれば、ウッドデッキを設けて外部に開けた間取りにすることで、外の環境と一体化した暮らしがイメージできます。その土地のおかれた環境を観察して、良い要素を上手く取り入れ、良くない要素は隠す工夫が大切です。
point4:家族のなかで優先順位を確認
土地や周辺環境をしっかり観察できたら、家族のなかでの要望を固めていきます。ここからが間取りの基本形を考える段階。
そして、家族のなかで要望を固めるプロセスは最もたいへん。家族それぞれが個々の夢や希望を語り出すとき。まぁ、現実離れした要望が山のように出てきます…。
そして、「優先順位」を決めていきます。
優先順位を決めるポイントは2つ。
A.まず全部の要望をひとつ残らず付箋に書きだす。
B.家族それぞれの要望において、【諦めること】【捨てること】を決める。
予算とスケジュールは、ある意味絶対条件なので、それ以外の家族の要望を精査するようにしましょう。
point5:間取りを決める最高権力者は『家に長時間いるひと』
間取りを考える上で最終的な決定権を持つのは、家に長時間いるひと。家を建てる時期にもよりますが、イメージしやすいのは家に長時間いるひとのことをしっかり考えて、子育てに特化した間取りを構築すると家族全員が快適になります。
point6:設計者へ優先順位を伝える
前の5つのプロセスを経て、ようやく設計担当に要望を伝えることができます!
家族のなかで明確な優先順位が決まっているので、自分たちのイメージに沿った提案かどうか。しっかり判断することができます。可能であれば手描きで構わないので簡単な間取りのイメージとInstagramなどで気に入った内観・外観画像データをあわせて渡すことで、自分たちのイメージがより伝わりやすくなりますのでおすすめです。
★【関連記事】注文住宅の間取りの決め方は?人気の間取り10選も紹介!
4.部屋の間取りの選び方
間取りを選ぶときに、それぞれの部屋の広さを押さえておきましょう。
国土交通省が発表した資料によると、一人暮らしにおける最低居住面積水準は25m2とされていますが、いざ間取りを検討していくと、1DKは20m2台、1LDKになると30m2台、2LDKになると40m2台に収まる例が多いようです。
同じ延床面積でも、収納の有無などによってもお部屋の広さの感覚は変わります。置きたい家具や家電の大きさによって、自分にどんな間取りが合うのかも変わってきます。
○収納の広さ、収納の場所
収納は延床面積に含まれ、その面積が狭いほど収納スペースや居住スペースも狭くなります。家族の持ち物でどのぐらいの収納スペースが必要か、事前に把握しておきましょう。
○生活・家事導線の快適性
実際に生活や家事をする中でどのくらい動きやすいか、ストレスなく一連の動作を終えられるかというのは、間取りの検討において非常に重要なポイントです。しかし、検討段階で見落としてしまい、住み始めてから後悔することも多いようです。
<動線の具体的な失敗例5選>
1.憧れのカウンターキッチンにしたけれど、家電や棚を置いたら動きづらくなった!
2.カウンターキッチンにしたけれど、家事の音がうるさくてリビングでくつろげない!
3.カウンターキッチンにしたら、炒め物をするとリビングに油の臭いが充満する…
4.家事の音を心配してくていい独立型キッチンだけど、リビングにいる家族、特に子どもの様子がよく見えない!
5.テレビのコンセントの位置が窓に近いので、日中は画面に窓が映り込んでテレビが見にくい
など。間取りをチェックする際は、どのような動線で生活するかをイメージしておくことが大切です。現在は、プラン提案のためにVRなどを使用する住宅会社も増えています。それだと部屋から部屋へ移動してみた時に、不便ではないかなどを確かめたりするのに最適ですね!
○温度や明るさ・日当り
各々の部屋にどのくらい日差しが入るのか、照明をつけない状態で部屋がどのくらい明るくなるか、暑さ寒さが激しくなった際、どのくらい和らげてくれるのかなど、間取りによって大きく変わります。
一般的に、東向きの部屋は朝日が差し込んで快適ですが、日中の日差しが入りにくくなるので冬は寒くなります。西向きの部屋は主に午後から日が差すので、冬は暖かくなりますが夏はかなり暑くなります。同じように、南向きの部屋は日中の日差しが差し込んで明るいですが、夏場はかなり暑くなります。北向きの部屋は日差しが入りづらいため、冬はかなり寒くなります。
一概に「この向きがいい」とも言えませんが、住宅の性能が向上すると夏暑い・冬寒い問題はだいぶ和らぎます。ただし建築コストは上昇します。
○匂いや音の伝わり方
キッチンやトイレの匂いも、日々の生活の中ではストレスになってしまいます。最近主流のLDKは特にキッチンからリビングに臭いや音が漏れてくることも…。その反面で、子育て中は様子をみつつ家事ができるので安心できます。
また、生活し始めると意外と気になるのが「音」。料理中や片付けの際に出る音、洗濯機や食器洗い機、テレビの音などは意外と響くもの。共稼ぎの場合は夜に洗濯することもあるので、洗濯室などの場所は寝室から離すことも考えましょう。
5.一人暮らしに最適な間取りのポイント
○一人暮らしでは「日当り」よりも「風通し」が重要
賃貸物件などではよく「南向きの日当りのいい部屋を選ぶべき」といわれます。ところが、一人暮らし(単身世帯)におすすめなのは、日当りのいい物件ではなく風通しの良い間取りです。
その理由は、風通しが悪い間取りだとカビが生えやすく、室内の空気もよどみやすくなるためです。風通しの良い間取りのポイントは、「各々の部屋に2カ所以上の対向した窓をつける」「お風呂に窓をつける」などです。
おすすめは、1LDKの間取りです。
6.二人暮らしに最適な間取りとは?
○玄関から部屋が見えにくく、ひとりの時間も作れる間取り
二人暮らしでは、それぞれの個室が欲しいか、それとも二人の共有スペースを大事にしたいのか。あらかじめしっかり話し合って決めておきましょう。ただ、喧嘩したときや集中したいとき、生活リズムが異なる場合もあります。それぞれに独立した部屋があるとお互いに気を使わずに過ごせる快適な間取りになるでしょう。
最低限、2LDKは必要ということですね。
また、急な来客の際などのことも考え、玄関から室内が直接見えないよう、間にドアがあったり、リビングまで行くのに曲がり角を挟むようにする間取りがおすすめです。
7.3人家族に最適な間取りのポイント
○間仕切りが少なく、見渡しの良い間取り
はじめての子育てで悪銭苦闘しているファミリー世帯が大半かもしれません。
間仕切りが少なく見渡しの良い間取りがおすすめ。家事をしていても子どもの様子がすぐわかります。また、家事などをしていても、家族間でのコミュニケーションが取りやすいのもポイント。
間取りは2LDK以上がおすすめです。
8.4人家族に最適な間取りのポイント
4人暮らしでは、まず「夫婦別寝など各々の個室を用意するかどうか」の検討が必要です。ある程度の年齢になると仕事や趣味の状況などで夫婦それぞれに個室がほしいという場合も出てきます。事前に確認しておくことで適した間取りも変わってきます。
○子どもの成長に応じたライフプランの変化を押さえる
具体的には、
・独立した子供部屋が必要な時期はいつ頃か
・子供2人の年齢差や性別
・子供部屋の数
子供同士の年齢が離れているなら、上の子が独り立ちをするタイミングで下の子に空いた部屋を使わせることや、子供が同性同士なら1部屋を2人でシェアというのもひとつの方法です。
間取りとしては、3LDKが最適でしょう。
9.5人家族以上ではどんな間取りが最適?
○5人家族は三世代同居が多い
現在では、5人だと親との同居になるケースが多いようです。(令和2年国政調査より)
双方にストレスなく暮らすためにも、「事前に将来同居するかも」と少しでも可能性のある場合は、5人で暮らせる間取りを選択しておくと便利です。
ポイントは、同居する親との生活動線を分けることで、プライバシーを確保しやすくなります。事前に同居を想定して間取りを選ぶことで、将来大規模な工事もお金もかけずに同居することができるでしょう。
間取りとしては、4LDKは最低でも必要ですね。
10.シニア単独・シニア夫婦世帯の間取りのポイント
○広すぎる間取りはNG!寝室とトイレは近めが◎
高齢になった方が間取りを選ぶ際、移動の負担が大きくなる広い間取りはおすすめできません。何をするにも移動が必要になり掃除も大変で、動きたくなくなっては元も子もありません。必要以上に広い間取りを避けて「寝室とトイレが近い」など、普段の生活しやすさに重点を置いた間取りがおすすめです。
間取りとしては、1LDKでもOK。
11.部屋の間取りの種類と選び方まとめ
現在の家族それぞれのライススタイルをもとに検討することはもちろんですが、将来の家族構成の変化も想定することが大切です。
自分自身も含めた突然の介護や勤務先の倒産といった経済的リスクなど、ネガティブな要素もできる限り洗い出してから、予算とスケジュール、土地の形状や周辺環境を踏まえ検討を重ねるものです。
現在の理想だけを追いかけた間取りを検討するのではなく、10年スパンでの家族の状況の変化を想像することで、何を優先すべきかも見えてきます。
残念ですが、優先順位が低い趣味の部屋などの使う時間が短い部屋ではなく、保険と同じように将来家族に起こり得るリスクに備えた間取りを検討することが重要です。
将来を見据えて家づくりと言われてもピンとこない事も多いでしょう。そんな時に役立つのが「ハウスネットギャラリー事務局」。住宅の専門家が経験値を基に、あなたの家づくりの要望の整理や進め方や、お金や疑問点なども全て含めてアドバイスすることができます。
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