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建築家 天野 彰 減築思想の“終の家ロボット”で国家を救う!?

お恥ずかしいことに、先月うっかり足を踏み外し、右外踝(くるぶし)を骨折してしまいました。手術はプレートとボルト8本の接合“工事”で上手くいきましたが、なにせ効き足なのと痛いことで、その前後が大変で、今でも這うように暮らしているのです。

幸い“老後”に向けて、減築リフォームをしていて、ほどよく狭く二階へは手すりを両側に付けていてなんとか過ごせているのですが…、そこで感じることがやはりトイレです。

家を縮め、這ってでも行けるトイレに

老いたらバリアフリーより、リハビリだ!などと強がりを言っていましたが…なんともはや、わが身がいまだにバランス感覚が元のように戻らず、あっちへふらふら、こっちへふらふらと、なかでもトイレが、意外な重労働となるのです。

狭い家に車椅子とは言いませんが、果たして車椅子でも現実的にはべッドから車椅子、さらに便座へ、そして済めばまた車椅子、ベッドへと、実にトイレ一回で、4回ものこの乗り換えをしなければならないのです。実際に一人では容易ではないです。

そこで、減築リフォームでは今のトイレとベッドとを極力近づけ、間の壁をスライドドアにしてベッドと便座との間に台を置き、ベッドから腰かけたままおしりをずらして、便座に“直通する”のです。

題して手つきトイレです!両腕をついて体をずらすことは梗塞マヒでもない限り、老いてもギリギリ自力でできると言われています。

家全体がわが身を介護するロボットにするのです。

“這ってでも自立”して活きるベンチ式水洗おまるで、ベッドからトイレ、さらには浴槽へと、手をついて腰をずらし移動するベンチ式の水回りも可能です。(R邸リフォーム)

筆者の気丈な昔気質の祖母は足腰を痛めても、脱衣でごろごろと衣服を脱ぎ、洗い場のスノコまで這って行き、寝たままシャワーを浴びるなど誰の手も借りずに最期まで自立生活をしていたのです。

これからはリハビリで厳しい時代を活きる意識を養うことが必要なのかもしれません。介護に頼るだけではなく、住む人自らがわが身の症状に合わせ工夫をし、自立の生活をする真のバリアフリーの家の時代かもしれませんね。

こうして一人でも多くの高齢者が減築リフォームで自立の家にすればわが身のみならず少子化の“国家をも救う”のではないか!と足を引きずりながらも頑張っているのですがねえ…。で、次回は筆者の祖母が望んだプライバシー尊厳の介護ロボットの実現を、です。

『図解・住まいのソフトウエア』(凱風社1983年刊)より(天野 彰)

写真:ベッド~トイレ~浴槽の手つきベンチシート(R邸;設計アトリエ4A)・イラスト:天野彰、昔気質の祖母の自立すのこ式浴室、(イメージ画:天野彰)

写真:「寝室ベッド~手つきトイレ」(S邸;写真・設計:アトリエ4A)・イラスト:「同S邸・平面図」(画:アトリエ4A)・写真:「ベッド~手つきトイレ洗面へ」K邸リフォーム(設計:アトリエ4A)

写真:「寝室ベッド~手つきトイレ」(S邸;写真・設計:アトリエ4A)・イラスト:「同S邸・平面図」(画:アトリエ4A)・写真:「ベッド~手つきトイレ洗面へ」K邸リフォーム(設計:アトリエ4A)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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