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「家相」はあるか?(3)~家相は伝統文化の継承でもある?
「家相」はあるか?(3)~家相は伝統文化の継承でもある?
―伝統文化には「家相」がある?―
前回の家相のアンケート結果は、調査自体がインターネット世代に対象にしたもので、やはりその回答実数は3,40代の方が多かったのですが・・・、その割には改めて家相の関心の深さに驚いたものです。
確かに欧米の建築家仲間や友人たちからも妙に感心されたことがこの日本の文化の不思議だと言う。最初に日本に降り立って彼らが面食らったことが、近代的な都市の反面、精神的な“効率”?を感じたと言うのです。その理由として私たちの日常的な裸足の生活を、改めて日本の素晴らしい文化だと言うのです。内と外の生活を匠に暮らす若者や、特別でない和服や浴衣の生活などで、さらにその食の美や、確たるルールさえ感じたと言う。
あまり新聞やTVの中で一般に発言されない彼らのホンネの意見が、なんと「伝統的で文化的な行事を持ち、しかもこれまた近代都市の中で文化的な素肌の浴衣で裸足の生活の日本人!」と、伝えつくされたスシ・テンプラ・スキヤキの日本食以上に、「衣」と「住」の自然な生活が褒め称えられているのです。
その分析?とは、「衣」も「住」も「時間、空間、人間」のスピリチュアルで精神性の高い文化を形成していて「食」にも連動していることの奥の深い生活文化と言う。特に「住」は子どもを育て、かつわが身自身をも鍛錬する“住育”の力を持っているとさえ言うのです。
私たち日本人が当たり前と思っていることをとても不思議なことと思っているのです。中でも驚くことは、日本人の長年に渡る住まいづくりの統計学とも言われる住まいの縁起や、“キモン”などの「家相」にまで興味を持っているのです。なるほどアンケートや建て主の話などからも「家相」に多くの人が関心を持って居ることがさもありなんなのです。
そこで「家相」を彼らの目線で、客観的に考えてみますと、私たちの生活には「方位」が深く関わり、それも単に物理的な方位だけではなく、その持つ不思議な意味や力があることが分かります。私たちの身の回りの方位には、時があり色があるのです。しかもそれは意味とパワーを持つのです。
まずは、相撲の土俵の屋根の四隅からぶら下がる房に4色あって、赤房・白房・黒房・青房とあるのですが(このことを知らない人も案外多いと聞くのですが・・・)、あの明日香村の高松塚古墳の彩色壁画の白虎や玄武の絵画がそれで、赤は南方位で朱雀(すざく)、白は西方の白虎(びやっこ)、黒は北方の玄武(げんぶ)、そして青の東方の青龍(せいりょう)となり、1300年以上も前の飛鳥の時代からの伝統的でしかも正確な方位なのです。
さらにその方位は八方になり、さらに細分化され12さらに24方位になるのです。すなわち360度の30度、さらに15度ごとに方位の意味があり、それがまた子・丑・寅・・・などの十二支と連動し方位と時を刻むのです。真北を「子」で、時刻の子(ね)の刻、すなわち深夜0時前後で、その隣の丑と寅、丑三つ時などの3時4時で方位は北東、で丑寅(うしとら=艮)方は鬼が出入りする不吉な方角、すなわち鬼門(きもん)として古来忌み嫌われてきたのです。(参照:私が全国の家相家方に相談してまとめた住まいの場所と連動させた家相盤)
<イラスト:私が全国の家相家方に相談してまとめた住まいの場所と連動させた吉凶の家相盤>
家の間取り、すなわちプランニングにも、またそこに住む人たちにもこれほど方位と時刻に深い係わりがあるとその存在を認めざるを得なくなります。
「ナンセンス」などと言っている建て主も、家族や自分に何か不幸があると、さすがにこの「鬼門」の存在が気になるものです。しかも親たち姉妹、さらには友人たちからも責められれば、それこそそれが大きな“鬼門”となるのです。まさしく「家相は存在する」のです。
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