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2025年11月29日(土)
建築家の役割(3)「真っ白のキャンバスに何から描く?」
はじめに
長い冬からやっと桜が咲き始め暖かみが増すころ窓を大きく開けて春の陽ざしを感じたくなる頃、改めて住まいの内と外とのつながりを感じます。都市での家づくりはこんな爽やかなイメージで開放的で、それでいてコンパクトな家をイメージするのです。
家づくりは最初が肝心!
永年わたり住まいづくりのお手伝いをして来て家づくりのスタートでいつも感じることは、建主が更地を目の前にして、まるで画家が筆を持って真っ白のキャンバスに初めて線を引く瞬間のような、そんな心境を思い浮かべるのです。そこに図が描かれ、色が塗られ、果たしてその通りの立体的な家が描かれるのだろうかと、戸惑いながらも大いなる夢を抱いているのです。設計図の読み方も分からず、それをさらに立体的に描いて、かつ生活に合わせて時系列的に理解することはなかなか難しいものです。
これを設計者や施工者たちは当たり前のように、話を進めるのですが、建主にとってはそれも訳が分からず、動揺し既に“賭け”のような心境となっているのです。それを丸ごと購入したり、設計や施工の契約をすることなどまさに「清水の舞台から飛び降りる」がごとき心境でいるのです。
しかし、それを担う若い建築士やセールスマンたちは、建主がまさかこんな心境とは夢にも知らず家づくりをさっさと始め作業を押し進めてしまうのです。本来「ご一緒に考えて、いい家をつくりましょう」で、「僣越ですが、とにかく技術的なことは私たちに任せて、ご夫妻はどう住みたいか、どう暮らしたいかを考えて教えて下さい!」などの丁寧な説明と提案する気迫が必要なのです。
「場取り」で家づくりの手順など全てを理解する?
筆者の家づくりでは、間取りの図をいきなり示すのではなく、南北を指し示した白い画用紙に、それぞれの大きさに切った円を並べ、まるでカードを切るように並べて、それを家族と一緒に移動させながら家の形をイメージしてもらうのです。まさに間ではない家族の居場所や何かをする場などの「場取り」をしてもらうのです。
こうして設計のお話を進めて行くうち、プランも全員で理解し、家づくりの手順や項目や単価さえも、「ははーん、こんなことだったのか!」とか、おおよその面積に単価を掛けて壁や天井の仕上げ材のなどの予算さえ分かってくるようになるのです。すなわち、広さ、質、作業、養生、そして経費。皮肉 にも建物の完成間際には、設計者と施工者とのやり取りも分かってくるのです。こうして現場が進むと、空間も分かって来て、これは狭いとか、低いとか、もう気分はまるで建築家のようです。
こんな仕上げで良いだろうか?ここは手抜きではないか?などと、設計監理の担当者に競って指示や“監理”をしだすほどになるのです。
実際の施工の監理は既に基礎づくりから始まっているのですが、建て主が大工さんと一緒に建てている気分となっていることがとてもうれしいものです。あとは引き渡し前の完成チェックも一緒に行うのです。
しかし一般には車の売買のように新車の検査と同じ感覚で観て購入するような姿勢になってしまいます。しかし今まで建てて来たその家は手作りゆえの壁や天井には、むらや凹凸もあり、それがまた本物の味わいを醸しだしているのです。
まさに“世界にたった一つしかない建物”を建主が自分でつくり得た喜びです。これこそ私たち設計士が完成の安堵と幸せを覚える瞬間です。まさに建主がさらに良くしたいと願った真剣な想いの成果なのです。
「このスペースもったいないわ。収納にして!」「ここにあの絵を飾りこのチェストを置く!」「あそこに棚をつくって!」などなど、これによって自分たちに合った建物となるのです。それこそわが家を自分たちで創ったような気持ちになるのです。これはリフォームでも同じことです
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