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建築家 天野 彰 親と住む子と住む(5)親子「べったり同居住宅」とは?

○今回のポイント 1 安易な理由で建てる二世帯住宅は、危険がつきもの。
○今回のポイント 2 二世帯住宅が成功する秘訣は、キッチンと寝室そしてリビングの位置関係

同居とは親子夫婦で一緒に暮らすと言うことなのですが…、実はそうそう簡単なことではないのです。前回お話したように家族の同居形態を探る親の側、子の側からのゲームを示しましたが、実は親夫婦、子夫婦の側からではなく、親の夫婦、すなわち父親と母親の二人で、子夫婦の夫婦二人と合わせて四人の側からのゲームなのです。そもそも夫婦は一つではなく夫と妻の二人なのです。

安易な同居のきっかけ?

「働きに出たいが、子どもが心配」
「離れて暮らす親が心配」で親は「子夫婦が心配」さらには・・・「親子で一緒に住む方がなにかと都合がよく安上がり…?」で、同居や二世帯住宅を選択してしまう人が多いのです。

このコロナ禍のような事態に、互いが離れて住んでいることの不安や子夫婦が共働きで子どもの成長に伴って保育に預けるも大変、さらに家が手狭になったなどが原因とも言え、親子どちらかから希望が出て「同居」となっているのです。さらに親の高齢化に伴って突然の体調の変化や怪我などに対し気弱になり、子の方も心配になり、慌ててできるだけ近くに住もうなどと考えるのです。しかし離れて住むならかえって中途半端に近くに住まない方が無駄な気を使い過ぎなくてよいとも言いました。都合が良さそうな二世帯住宅なども同じです。

確かにどの親も年金の目減りや医療費の負担増、さらにはそのまた親の介護、すなわち老々介護などの問題も差し迫ってもいるのです。本音では同居の願望があっても、一方で今までの勝手気ままな暮らしに同居に不安も抱いているのです。

どうせ同居するなら「べったり同居」!

親子が今までに同居の経験があるか、あるいは今までも親子の交流が多く仲良しの場合を除いては安易に同居や二世帯住宅などにしない方が良さそうです。まして親の方から誘わない方がいいのです。そこで改めて前回のあの親子夫婦“YES”or“NO”のゲームを見てみましょう。(ゲームはこちら

結果が上からべったり同居。ややべったり。そしてべったり一体だがやや離れて外から子 (親) のゾーンに直接入れる。のゲームで一致する上の方の3つの同居形態(断面例)が見えて来ます。もちろん親子夫婦の4人のどなたかがNGならさらに下の分離同居になります。

イラスト1:べったり同居のパターンの断面でキッチンと寝室の位置(画:天野彰)
<イラスト1:べったり同居のパターンの断面でキッチンと寝室の位置(画:天野彰)>

するとこの断面パターンの図からいずれも同居にはキッチン(図1:K)と親・子・孫の寝場所の位置が重要であることが分かります。キッチンすなわち台所を中心に親と子、孫の寝室を干渉しないようにできるだけ遠くに距離を置けば、わざわざ別の家・すなわち「二世帯住宅」などにする必要はないことが分かって来るのです。

まさしく同居の成否は、なんと!キッチンの位置と寝るところで決まるようです。もともと住まいの肝・心・要は台所と寝室とリビングです。まさしくわが家の“勝手”と“寝床”と“居間”で、落語の「じゅげむ」の「食う・寝るところ住むところ・・・」なのです。

べったり同居でもキッチンは二つが望ましい?!

“勝手”の台所(キッチン)は主婦の象徴とも言えるところです。そのキッチンの役割を親子2人の主婦が守ることになり“2人の主婦が居る”と言うことが同居の難しいところです。そのバランスこそが大切なのです。なぜなら、ひとつの住まいの中で主導権をどちらが持つかと言う「嫁姑の競い合い」となるからです。しかも昔と違って、ニコニコと笑いながらの“静かな戦い”ともなるからです。このことは嫁姑に限らず、仲の良い母娘であっても問題となることで、企業で言えば “社長の椅子”とも言えるのです。これを母親から取り上げてしまってもいけません。母親のキッチンは言わば“社長の椅子”を譲った“会長の椅子”?と言ったところです。そこで、狭い同居住宅の中での2つのキッチンをどうつくるかです。

イラスト2:狭くても嫁姑二つのキッチン(画:天野彰)
<イラスト2:狭くても嫁姑二つのキッチン(画:天野彰)>

どうしても狭くて2つ取れなければ、イラスト2のように1つの台所の中に嫁姑2つのキッチンセットを設けることも可能です。まさに“会長の椅子”である母のキッチンがいずれ使われなくなっても“象徴的なもの”として孫たちも使える意味もあるのです。母親の大切な食器も保管され、気が向いた時に手料理もでき、深夜に薬も飲めるなど母のキッチンは心の寄り処であり、心の安らぎでもあるのです。

狭くても二つのキッチンA様邸(設計:アトリエ4A)
<狭くても二つのキッチンA様邸(設計:アトリエ4A)>

こうして「べったり」とは住むものの、双方の寝る場所の寝室は極力遠くに離して、キッチンは2つ、そしてトイレも当然2つ、さらにバスも2つが理想です。

やはり同居するなら息子夫婦すなわち“嫁”とは最初から思い切って「べったりの同居」が良く“中途半端に”二世帯住宅や近くに住まない方が気を使い過ぎなくてよいのです。次回は、さらにべったり同居住宅には秘策がある?のお話しです。

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★隔週最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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