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親と住む子と住む(7)秘策!「狭い土地にも同居“共働”住宅」?
○今回のポイント 1 必要なのは、べったり同居ではなく、活動的な「共働」住宅
○今回のポイント 2 親と子のプライバシーと働く空間を設ける事が重要
○今回のポイント 3 子育てや福祉の不安を減らすための「同居」
長々と同居のお話をしてきましたが… 結局、今の超少子高齢化社会において常態化する、「預かり保育」そして「介護サービス」への不安に加え、今回の長引くコロナ禍によるリモートワークの普及などにより親の家に一緒に住んだり、親が子を誘って同居する必然性が増えて来た、つまりかつて当たり前だった、サザエさんやコボちゃん(読売新聞連載漫画)の親・子・孫の三世代同居家族の良さに気が着いたからかも知れません。
活動的な親子“共働”生活の家とは?
実際に職場を求め都市に集中して、核家族となり共働きの家族が、今その企業に失望し?都市の高家賃から逃れ、かつての“さんちゃん”農業ならぬ親子共働きの、まさしく同居共働住宅の時代となり、改めて二世帯同居住宅の是か非の議論となっているのでしょう。
新たな時代の同居とは、べったり同居では生活時間や好みの異なる台所(K)をあえて二つ別々に設け、互いの寝室は極力遠ざけプライバシーの確保に努め、反対にリビングダイニングを広く取って、互いの交流ゾーンにするなど、二組の夫婦が一緒に暮らせるプランこそ、共働きの子夫婦と、それをサポートする親夫婦の、まさしく親子の“共働”生活で、活動的な新たな同居住宅となるのです。
狭い家でも「同居“共働”住宅」は可能!
こうした生産的かつ積極的な現代の同居は、はつらつとした親子の新しい感覚の同居スタイルで、しかもいずれ介護が必要となっても、安心して暮らせ、育児と在宅介護双方の本質的な福祉が可能となるのです。
<イラスト1:16坪の同居“共働”住宅プラン(Su様邸、設計・画:天野彰)>
イラストのプランのように、わずか16坪の家でも「同居“共働”住宅」になるのです。この2階建てのSu邸は、親たちが長年住んできた貸家を親子で買い上げ、1階が親御さんの住まい、そのリビングは洋服の仕立ての作業場兼用となっています。しかしその狭い中に親御さんの六畳の和室と専用のキッチンと共同の浴室があるのです。
<写真左:玄関土間から1階は親、子は直通階段で2階へ 写真右:階段下に引き出し式収納(Ko様邸、設計:アトリエ4A)>
2階へのアクセスは互いのプライバシーを確保できるよう、玄関から直接上がれる階段があり、さらに子夫婦の専用のキッチンと和室の寝室兼居間と孫たちの部屋もあるのです。総床面積16坪と狭いながらも、2つのキッチンとさらに上下2つのトイレ、親子が働ける作業場がある立派な「同居“共働”住宅」なのです。
親の家に住みたい?子と住みたい?
今にわかに、同居しようとする親と子夫婦が増えているようです。中にはマンションを購入したにもかかわらず処分するか、人に貸してまでも親と同居する例もあるのです。親の方もわが家をあっさり壊して同居住宅に建て替えると言うのです。一体どうしたのでしょう?
確かに、質は良くなったとは言え、マンションの住み心地は今ひとつなのか、子どもたちが大きくなって手狭か、あるいは犬を飼える庭が欲しいか?何より親の土地で自分たちの好みにあった家が建てられればそれに越したことはなく、親が元気なうちに資金援助を受けて建てれば?などと“ちゃっかり”子夫婦もいるようですが・・・。実際はもう少し現実的で、育児保育など不安な子育てをしながらの共働きのしにくさや、もう1人子供が欲しいなど子育て優先の想いがあるのです。
高齢の親たちも要介護者が増え続けるなか、はたして老人施設など簡単に入所できるかどうか?肝心の扱いやサービスは?またその費用も心配で、最後まで本当に面倒を見てくれるかどうかも不安なのです?挙句の果て、施設の経営までも考えるのです。こうして親子双方ともに、心もとない育児制度や年金不安など、行政の頼りない潜在的不安があるようです。とにかく家に居てこそ、育児と在宅介護の本質的福祉サポートが可能となるのかも知れません。
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