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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 若い人に告ぐ(3)「老楽しく住む家」の必要素トイレ(1)

○ 今回のポイント 1 トイレは老いの暮らしの3大必要素の一つ
○ 今回のポイント 2 トイレの機器・機能


いきなりトイレのお話となりますが、老いの暮らしではトイレが何より重要になるのです。特に「老楽しく住む生活」で大切なスペ-スは水回りとなるようです。ではいったい何が栄養素ならぬ老いの住まいの必要素なのでしょう。

トイレは老いの暮らしの3大必要素の一つ

中でも一番大切な設備がトイレです。トイレはベッドの脇にまさに「尿瓶のような」感覚で使える場所にすること!です。

イラスト1:豪華トイレ(画:天野彰
<イラスト1:豪華トイレ(イラスト:天野彰>

確かに若い人でも冬の寒い夜などはトイレに行く回数が増えます。夜中に何回も起きてベッドや寝室の暖かさから、急にブルッと震えるほど寒く冷えた廊下を通って、冷えたいトイレヘ行くことは脳梗塞や心筋梗塞発症の危険もあります。

実際にこうした疾患は若い人にも多く見られます。

理想を言えばトイレは寝室の至近距離か、寝室の中にあることが望ましいのです。実際に60歳で家を建てた人で、カーテン一枚のしきりでもいいから、寝室の中に専用のトイレが欲しいと言う方もます。

しかし夫婦で寝室を使う場合には、いささかそれでは気になるので、やはり最小スペースであってもドアを付ける必要があります。あのホテルのバストイレのように専用のトイレなら軽い間仕切り一つで済み、コストも便器と配管だけで30万円ほどでできます。これで命が助かるなら安いものです。

実際にこうした疾患は若い人にも多く見られます。専用のトイレをつくらない場合でも、寝室のドアを開けたらすぐトイレがあるような配置を考える必要があります。できればその廊下も途中を閉めて、暖房をしたいもので、それほどに寝室とトイレの“寒暖の差”には注意をすることです。

トイレの機器・機能

またそのトイレには洗浄装置付きの暖房便座が好ましく、洗浄の仕方や暖房温度のコントロールのしやすいもので優しく洗浄能力が良いものを選びます。乾燥のための温風などはあまり使う人も少ないのですが、いざ自身で腰を持ち上げられない時には必要になるかも知れません。

こうした進化する機能の実用生について、メーカーはデザインやハイ機能ばかりではなく、実際に高齢になっても使いやすいもの、“優しい便器”を考える必要があります。例えば流すことを忘れた場合の為と、用が済んだ後の自動排水などはしない方がいいのです。

実際、自身の排便情況をきちんとチェックできることが望ましく、これは介護施設でも同様に介護・看護側が確認する必要があり。何よりも物を落とした時などに困ることで、しかも流すことを忘れないための脳のリハビリにもなりません。

さらに凝ったデザインの為に介護のために邪魔になる形や蓋などもあり、後日お話しする「手つきトイレ」などすっきり便座が薄く、フラットの方が使いやすいこともあるのです。

手つきベンチ式トイレ 珪藻土ボード 総檜(N邸)(写真:天野彰
<写真:手つきベンチ式トイレ 珪藻土ボード 総檜(N邸)(写真:天野彰>

★隔週最新コラム公開中!

では次回はこの住まいの大要素トイレの仕上げと設備についてお話します。


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お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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