住宅関連記事・ノウハウ
若い人に告ぐ(4)「老楽しく住む家」の必要素トイレ (2)
○ 今回のポイント 1 トイレ環境 手すり・仕上げ材
○ 今回のポイント 2 トイレの暖房・換気・照明
○ 今回のポイント 3 賃貸か持ち家かトイレのセキュリティ
現代の住まいで進化?したことは気密性と断熱そしてキッチンとトイレと言えましょう。これによって日本人の健康と寿命までもが向上したのではないかと言われるのです。
それが、まさしく医療の進化が貢献していると言われる中での、その医療関係者の言葉であることに驚かせされます。
それこそが寒暖の差で、寒い土間に有った劣悪環境の台所から家の中になったこと、さらに住まいの外や遠い廊下の先にあったトイレが家の中になり、急激な温度差による心臓や脳疾患のリスクの減少が大きいと言う・・・。
トイレ環境 手すり・仕上げ材
その健康に貢献するトイレで大切なものが意外にも手すりです。大便の時や女性が使用する場合には便器の前か、左右にあると急激に腰や足に負担を加えることなく手で支えられるからです。男性の小用の場合に便器の前に手すりがありますが体調が悪いときや酔っているときなどは安全です。
元気だからトイレに手すりなど必要ないと言われますが、この手すりは若い人にも疲れたときやめまいがするときや足腰を傷めた際にも腕の力で立ち上るために役に立つのです。
これらは体重を掛けてもいいように下地からしっかりしたものにし、普段はタオル掛け兼用にでもしておけばいいのです。
トイレ室内の仕上げも床や壁は暖かい材質の無垢の板張りなどがよいが、やはり掃除のしやすいビニール床かタイル仕上げにし、男性 が小用するときなどや手洗いや流すときにも見えない飛沫が周りに飛ぶため、しばらくすると腐敗やカビの原因ともなり臭気の発生源になります。やはり洗剤で掃除のできる素材にし、腰から上の壁を杉またはヒノキの板張りや調湿消臭効果のある珪藻土などの塗り壁にすると快適です。
トイレの暖房・換気・照明
トイレで不可欠なことは暖房。それも廊下から続く床暖房が欲しいもの。簡単には市販の小型のサーモセンサー付きのオイルヒーターやセラミックヒーターが設置できるように電源を用意します。
換気扇も、いったんスイッチをオンすれば五分ほどで換気が終わるタイマー付きのものにし、ファンの多くはシロッコファンが使われていますが、大きなプロペラはフィルターをこまめに掃除しないと音や振動が気になります。
取り付ける位置は座る頭の後ろの上の天井扇か、あるいは背面壁の高いところが好ましいのです。こうしてトイレ内の空気の流れを考えることが大切で、自身の前から引いて後ろへ排気する形が好ましいく、もし天井の頭の真上や前の方にあると、臭いも鼻を通って流れることになるのです。
実はトイレでは照明が重要なのです。便器の真上に下向きの照明か、壁のブランケットライトで、便器の中を明るく照らすようにするのです。
<イラスト1:安全快適トイレ設備とは(画:天野彰>
トイレは健康管理の最重要場所で、便や尿の様子を観ることで健康チェックができ、タンパク質や血尿などで疾患を早期に発見できることが多いのです。
トイレのセキュリティ
住まい全体のセキュリティも重要ですが、トイレには非常ベルをつけておくと安心です。ボタンは男性が小用をしているときに倒れた時や、便座に座っているときの為に、右か左の手元の壁と、倒れたときなどは余り高くない方のドアの入り口の下の方の壁などにできれば二か所あると安心です。
非常ベル本体の設置場所は家族が一緒に居れば玄関や居間辺りで、一人暮らしであれば玄関のドア付近に付け、外を通る人にも聞こえるようにしたり、イザという時に備え、常に携帯電話を首にぶら下げ、身内や救急に繋がるようにし、さらに高齢となったら各セキュリティ会社の見守りサービスを自身の状態に合ったところを選び、頼むのです。
<写真:「デイ・サービスいのち」総桧の浴室とトイレ(設計アトリエ4A)>
まさに自身で守る、老いの時代のセキュリティと言えるのです。
次回は老いの暮らしの必要素 浴室のお話です。
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