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2026年3月22日(日)
狭い国土でどう住む?(4)~合掌造りの風通しをマンションに
狭い国土、観測史上初の灼熱の夏に思うわが国の家のカタチ
この観測史上初の列島灼熱地獄の最中、暦の上では立秋とは?!前回お話をした「フレームコロニー」はわが国の国民性そして気候に合わせた集合住宅の日本のカタチではないかと、改めて実感するものです。家のつくりようは「夏を旨とすべし」の通り、冬の寒さには耐えられても暑さ、そして湿度には耐えられません。今年はその「死ぬほど」の湿気と暑さです。このエアコンの発達した時代をしても暑苦しかったのです。しかし同じ暑い都心でも庭やビルの屋上に出てみると、わずかに風があり涼しさを感じられるはずです。特に日蔭はさらに涼しさが増すのです。さらにこのコラムでも何度もお話ししている中庭の涼しさです。それこそあの暑い京都の町家の中庭すなわち植栽の涼しさなのです。
なぜ四方を囲われた中庭で風が通るのか?流石に平面からは解析しにくいのですが、なんとこれを立体的、かつ自然の原理に沿った日本らしい、いやもっと言えば京都らしい粋な知恵は今の日本の都市型住居「町家」を生み出した原点なのです。ではなぜ四方を囲まれた中庭に風が通るのでしょう。中庭に向かって各部屋の風が流れ込むのでしょうか。
その不思議な現象の仕組みは立体的な構造と太陽にあったのです。

イラストの断面のように太陽光で屋根が熱せられると上昇気流が発生します。するとそれに吸い上られるように中庭の空気が上昇し、中庭の気圧が負圧となり四方の室内の空気を呼ぶのです。これが全方向通風です。家全体が自然の換気扇となっているのです。
私はこの原理を一戸建てに採用し、四方をコンクリートやガラスブロックで強靭な外壁で囲んでその中に無垢の木造の家を建てる中庭式住居なのです。

健康に良い裸の木造の家ですが、火災にも台風にもさらには津波にも対処しようと言うセルフディフェンスの家なのです。さらにビル風や路地になぜ風が通るのか? もっと言えば風はどうして吹くのか。答えは同様で、やはり先の気圧の問題で、日陰あるいは陽だまりの温度差が風をつくり、大気では寒暖の差がある空気が接することによって雲が発生し風が生ずるのです。熱い地表に冷たい風が当たれば竜巻となり、さらには海上では台風にもなるのです。さらにビルの谷間では広いところから狭い路地では鞴(ふいご)のようになりやはり負圧となって風の道ができるのです。さらに日中屋上が熱せられ、その余熱で上昇気流も発生するのです。
こうして集合住宅でも、フレームコロニーのように構造と設備のパイプとそのメンテナンスが容易なことと、その間に住ユニットを載せることにより各戸が四方さらに床と屋根の全面が外気に接し、一戸建てと同じ空間となるのです。さらに各戸の屋根に陽が当たり町家同様上昇気流が生じ、しかも合掌づくりのような立体的な三角で構成されたユニット群には風が生まれるのです。各戸の風を呼び、しかも独立しているため一戸建てのように風が八方から入りしかも各戸のプライバシーも高くなるのです。各ユニットに張り巡らされた「空中路地」は風通しの良い住人関係の場となり新たなコミュニティ(結=ゆい:前回)が生まれるのです。

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