住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
健康住宅(5)シンプルな物理的科学的思考で健康維持
はじめに
日本住宅の本来の良さは多湿なわが国において、科学的そして物理的思考に沿ってつくられていたのです。まさしく住む人の健康はもとより住まい自体の耐久性や維持確保に役立てていたのです。
風と水そして光 風水に見る自然素材と間取りによる“裸足”の健康思想!
「風」と「水」そして「光」による設計思想と技法。さらにはその素材の特質にもあったのです。わが国の住まい「和」の思想とは観念的なものではなく、数々の自然素材による自然加工の科学的な家であることです。
人々が今もなお本質的に求める「木の住まい」とは、「風」すなわち通風と通気の湿気すなわち「水」対策の健康思想の家であることが伺えるのです。それこそ幾度となく例えられる「すまいは夏を旨とすべし」の一に風、二に風通しのシンプルな住まいであることのとおり、1000年も続き、冷暖房のある現代もなお日本の住まいの思考となっている。いかに近代化が進んで洋式の住まいになろうとも、その生活行動が変わろうとも「裸足文化」は世界に類を観ない日本の住まいの本質とも言える思想となっているのです。
しかしながら明治以降の急激な近代化と西欧思考、さらには戦後の欧米志向や合理的な工業化により、それらは伝統工法や伝統技法の『匠』の名のもとに形象的で特別な趣向のような存在となっているのです。その近代化とは工業化で、売り手や生産者すなわち造り手側の合理的な発想により規格化され、工場生産のまさしく「prefabricated house」、あのプレハブ住宅の到来となったのです。さらに自由設計の名のもとに企画型?規格型のパネル板による組み立て住宅となり、2×4インチ角の枠材とベニヤ板だけで造る、まさしく骨のないツーバイフォー住宅「箱の家」となったのです。
こうして柱と梁と屋根だけの「傘の家」も、ベニヤ板に包まれ、内装もすべて工業生産のフローリングやボード貼りとなり、さらに外壁もスレートや金属板の型押しのサイディングボードなどとなり、しかも世の中は高気密高断熱の省エネ化が優先され、今や肝心の通気通風が二の次の「箱の家」と化しているのです。
本当の「日本の家」は軸組の「仕口」の妙にあった!
暖かい家は歓迎され、1000年の「夏の家」は形式的なものとなり、人々は化学物資と機械冷房と強制換気の家で暮らしているのです。しかし人々はやがて高齢化し、冷暖房に違和感や閉塞感を覚え不調をきたしてもいると言う。そして肝心の住まい自体も蒸れて傷みやすくなっていて、今改めて芯から無垢の自然素材と自然通気と風通しの良い「夏の家」すなわち『傘の家』が求められてもいるのです。名ばかりの匠の技の家づくりから、現代の技術で高機能を保持したまま、いかに健康的で通気性の良い自然素材の家をつくるかが大きな課題となっているのです。

写真:渋谷で健康住宅をアピールした通気の良い卵の家『家っぐ』(撮影:天野彰)
そこで若手(かつて)の建築家たちで集い「住まいと建築の健康と安全を守る会」(『住建康の会』)を立ち上げ(鈴木エドワード氏などと1998年~)、そののちサンスター技研やINAXなどの建材メーカーなどと協力して健康材料を展示紹介するショールーム『住まいの健康道場“家っぐ”』を渋谷に開設したのです。

写真:「家ッグ」の中の珪藻土の和室(撮影:天野彰)
写真2は自然通気する卵の殻の家のイメージ、すなわち炭酸カルシューム殻の「えっぐ」と「家」をテーマに訴え、通気塗材「セラブレス(サンスター技研)」や調湿性のある炭や珪藻土パネルなどをアピールしたのです。そののち住まいの健康志向は調湿作用に優れさらに施工のしやすい貼る珪藻土ボードなどや塗材やクロスなども多く開発されているのです。
さらにその会を通じて多くの棟梁や職人が集まり、「伝統木造」とか「在来木造」「無垢の家」などと特別視されていた本来の「日本の家」はその自然界の素材が持つ芳香はもとより、その木と木を繋ぐ軸組の「仕口」の妙にあることが分かったのです。わが国の湿気に対応した軸組み本来の「通気」と「軋み」による耐震性(吸震性と言うか)などが改めて見直されたのです。
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