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2025年4月1日(火)
エコとはいったい何?節電で本当のエコを知る!
エコとはいったい何?節電で本当のエコを知る!
「エコ」という言葉は、エコポイントやエコカーなどで広く浸透していますが、その本質であるecology(生態学)が十分に理解されているとは言えません。ecologyとは、人間を生態系の一部とみなし、地球環境や社会環境、その他の生態系と共存することを意味します。省エネ(economy)と混同されがちですが、エコの本質はもっと深い概念なのです。
省エネとエコの違い
エコカーは省エネでガソリン代を節約でき、ソーラー発電は売電による利益も期待できます。しかし、これらは経済性を重視した側面が強く、必ずしも真のエコとは言えません。
地球温暖化と原発
地球温暖化対策としてCO2削減が求められていますが、東日本大震災による原発事故により、再生可能エネルギーへの転換が不可避となりました。原発はCO2を削減するものの、大量の放射能漏れという問題を引き起こし、本当にクリーンエネルギーと言えるのか疑問が残ります。
現代社会の矛盾
近代化や国際化は人類の発展を促進する一方で、地域格差を拡大させ、争いの原因ともなります。また、医学の進歩による長寿命化は人口増加を招き、利便性を追求する社会は地球環境を悪化させています。つまり、人類の幸せと利便性は、環境悪化という大きな矛盾を抱えているのです。
「脱エネルギー」という考え方
そこで、節電だけでなく、省エネルギーを超えた「脱エネルギー」という考え方が重要になります。夏を過ごしやすい風通しの良い家、すなわち「夏を旨とすべし」という考え方が必要となるのです。
エコとは、自然の湿気対策の“傘の家”の文化

日本の伝統的な家屋
古来、日本の家は「傘」のように深い庇を持ち、日差しを避け、風を取り込む構造でした。これは、現代の「日照権」とは異なり、ほとんどの民家が低く深い庇を持ち、床を上げて、縁側や広縁を設けることで、湿気を避け、風通しを良くしていました。これが、「傘の家」、すなわち夏の家の構造です。
都市化と町家
都市化が進み、家々が密集すると、火災対策として隣家との間に土壁を設け、「傘」を家の中央の中庭に向け、小さな庭と日陰を作りました。これが、今も続く京都の町家です。この1000年の間、日本の自然環境に合った「傘の家」文化が受け継がれてきたのです。

京都の町家は最高の自然エコ住宅
町家の涼しさの秘密
なぜ京都の町家が涼しいのか?その秘密を解明するために実験を行いました。


実験方法
中庭式の模型を作り、両側(南と北)の部屋に線香を立てます。屋根(モザイクタイル)に太陽に見立てたライトを照射すると、屋根が熱を帯び、上昇気流が発生します。
実験結果
すると、上昇気流が中庭の空気を引き上げ、線香の煙はすべて中庭に向かって流れ、上空へ引き上げられます。これにより、打ち水の気化熱で冷やされた路地の涼しい空気が室内に引き込まれます。中庭に吸い寄せられる空気の流れは、涼しい風となります。つまり、家全体が大きな換気扇のような役割を果たしているのです。
先人の知恵
これは、長年にわたる先人の知恵の集大成です。自然を取り込み、風を呼び込むエコは、単なる技術ではなく、創造力であり思想なのです。


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