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わが家をみんなの学習塾に?
わが家をみんなの学習塾に?
定年退職を迎え 夫婦の家についてお話しをしてきました。夫婦だけの住まいはこれからどうなるのでしょう? 子どもたちを送り出し、夫婦2人だけの生活となり、人生のたそがれの季節でもあります。
会社人間だった夫も突如、毎日家に居るようになるのです。夫婦が朝から晩まで顔をつき合わせて暮らすことなどまったく経験なく、お互いが慣れず、なぜか夫は毎朝、今までのように背広を着てネクタイを締めて出かけるのです。家を出て駅前で行く当てもなくうろうろとし、結局、カフェテラスかパチンコ店で半日を過ごして午後早くに家に帰る。これでは夫婦の残された人生が余生になってしまう・・・。
そこで一念発起、今まで子育てのためにあったような住まいを改造し思い切って建て替えるかとも思うのですが、ここはリフォームしてLDKさらに和室までを含めた大きな部屋にします。
そこに大きなテーブルを置くのです。そう、あのジャンボテーブルです。このテーブルの端には流しやレンジも備え付け、料理教室か学校の家庭科室のようにすればよいのです。
イラスト1.2のLDKのように、ステーキハウス?ですがもともと私がおすすめする「囲炉裏ダイニング」です。
ここで友達や近所の人たちと一緒に料理や菓子をつくったり、花道や陶芸などいろいろ教え合い、さらに得意とする絵や習字などを近所の子どもたちに教えるのです。
■イラスト1:ジャンボテーブル ■イラスト2:DKを囲炉裏テーブルに(画:天野彰)
ご主人もいろいろな知識やキャリアを持っています。商社などに勤めた人は英会話などのレッスンや、経理や税理などの塾も開設できそうです。
そうです。わが家を学習塾にするのです。これで生涯働ける職住近接の“職場”を夫婦で作り上げるのです!
が、こうした老後の“職場”をある日突然つくるよりは、まだ子もたちが小さい間に“ステーキハウス”にすることです。
この原点となる「囲炉裏ダイニング」は私の造語で、もともとわが国の、いや人類創始からのダイニングで、これが今も「だんらん」の形なのです。私がはじめて本物の住宅の設計をお手伝いした大分県臼杵市の小手川邸(1964年)でした。
まさしく洋式のフードつきの暖炉でありながら、そのフードの支えに開けた穴に大きな串を通し、魚や肉を刺して丸焼きにするのです。まさしくそれは「囲炉裏」でした。それをワイルドに家族で奪い合いながら、かじって食べていたものです。
そこで提案、毎度おなじみ、現代版囲炉裏「わが家のステーキハウス」です。
実はこれは私の長年の夢で、この提案はずーと昔からしてきて、あちこちの住まいの設計で試みたもののかないませんでした。お陰で鉄板焼きが大好きとなり、鉄板焼き屋に行くと、焼き方やタレ、さらには肉の厚さや種類などを研究したものです。
そしてついにわが家の築15年のリフォームの際、ダイニングキッチンを大改造し、すべてテーブル、すなわちジャンボテーブルとし、そこに24mm厚の鉄板を購入してはめ込み、本当にステーキハウスで使われているプロのコンロを用いて本格的ステーキハウスにしたのです。
この大きなテーブル、鉄板だけに飽き足らず、テーブルの端の方に丸い穴を開けてコンロを内蔵し6人ほどが囲める鍋コーナーとし、すき焼きやしゃぶしゃぶをするのです。
■写真:小手川邸の囲炉裏暖炉ジャンボテーブル ■イラスト3:リフォームで“ステーキハウス”(画:天野彰)
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