住宅関連記事・ノウハウ
2026年3月22日(日)
「夫婦の家」は「男と女の人世」~夫婦の家
「夫婦の家」は「男と女の人世」
全国民の4人に一人が65歳以上となる超高齢化時代の今、改めて脚光を浴びるのが「夫婦の家」なのです。子育てが終わった家族では当たり前のことではないかと言われそうなのですが、「さにあらず」なのです。なぜなら今日の住宅問題は家族、とりわけ夫婦の高齢化であり、先々不安なエネルギーや医療費負担の高齢世帯の住まい、さらに問題なのは独り暮らしとなったお年寄りの独居なのです。その一方で核家族化が進み「同居なんて!」と言う親夫婦も依然多く、その夫婦がいよいよ高齢化し一方が具合でも悪くなって入院や老人施設にでも入ると独居暮らしとなるのです。 これが妻の入院ともなると夫はパニックとなり、妻は夫の暮らしが気がかりの入院となるのです。いずれの場合も長期の入院となるとなかなか置いてくれる病院も老人施設もなく自己負担もますます嵩んでくるのです。
こんなことから入院するほどの重症でなくとも食事や日常の世話、そして夜間の不安からの入院希望となります。いわゆるこれが社会的入院で、政府は医療費削減のために、ますます自己負担額を増やし在宅療養、在宅介護を奨励するのです。しかし70歳を超えた夫婦が一体どうやって連れ合いを看護し介護するか? ますます進む少子化の中で1組の子夫婦に両方の親夫婦が2組4人、さらに90歳前後の祖父母も生存しているなど多数のお年寄りを抱えることになるのです。

そんな背景から、少子化を解消するために住まいの“絶対的広さ”や共働きでの産休に加え託児などの社会システムの確立がないまま、年金をはじめ福祉負担を狙っての短絡的な消費増税は穴埋めに過ぎず。その一方で医療費削減などは、子育てもままならない若い人たちに倦怠(けんたい)感を与え、ますます少子化を招くことになっているのです。もはや家族の問題以前に国家レベルの社会不安、いや無策と言えるのです。しかしそれ以上に大きな問題はそんな社会事情が原因で、夫婦である本来の「男と女」そして「家族」までがねじ曲げられていることです。現実は子育てのさ中でも、要介護の親を抱えながらも、勇気を持ってさらに第二、第三子を設ける人もいますが至難の業ではありません。すでに余裕の出来た夫婦が50を間近にして男と女の原点に戻り、改めて未来を想うことも可能です。いざとなれば養子や里親も可能です。確かに子どもが多いことは楽しみがあり、わが家わが国の活力であり老いて寂しくありません。

しかし私の住まいの設計思想は夫婦です。しかも「夫婦」は一つと考えず、夫である「男」と、妻である「女」それぞれの人生を主体に組み立てます。住まいの基本は「夫婦」とつい錯覚して、実はどちらか一方の意見に押されてプランをつくってしまいがちだからです。 「男と女の家」には、男と女のそれぞれの葛藤があり、魅力があり、想いがあり、人生があるのです。その肝心の夫婦も家を建てるときは人生を考え、インテリアだ、キッチンだとブティック感覚に惑わされず、また子ども、子どもと育児の家にしてしまわずにあくまで私の夢、ぼくの夢の家のスケッチを描くのです。それを恥じることなく“それぞれに”設計者に見せればいいのです。設計者はその「夢」と「予算」をもとに夫婦の好みはもとより、子育てのことや老後のことまでを考えてプランにしてくれるのです。それがプロであり設計者の腕の見せ所なのです。そんな設計者は決して設備やモノからスタートしないのです。

チャールズ・チャップリン扮する老芸人が、映画『ライム・ライト』で、失業中のバレリーナに言った「人生はすばらしい。大切なのは勇気と想像力だ」の名セリフは今なお新鮮でとても感動的です。 今から125年前(1889年)のこの4月16日は、喜劇王・チャップリンがロンドンの寄席芸人の子として生まれた日です。本当に人生は一度しかない。だからこそすばらしい!のです。
そんな「男と女の家」の定年後の夫婦の生き方から始まる夫婦の人生の設計思想を書き表した『夫婦の家』の本(講談社+アルファ新書)出版社の経営上の都合で絶版となりましたが。お読みでなかった読者の5名様にプレゼントいたしたいと思います。私のホームページからどうぞご応募ください。
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