住宅関連記事・ノウハウ
子育ての「場」を考えると広くなる?!~間取りから場取りへ5
子育ての「場」を考えると広くなる?!~間取りから場取りへ5
狭いわが家を広くしたい。 今の2LDKから3LDKに移りたい。もう一部屋を増築したい! 子どもが増えて成長し、部屋を要求するようになると急に今の家が狭くなり、狭苦しくなってしまいます。
「狭い」の反対は「広い」ですが、「狭苦しい」の反対は?と問うと、ほとんどの人は「うんと広い」とか「だだっ広い」などと答えます。しかしそれは理想か願望に過ぎず、利便性のある都市の住まいは、しょせん高くて狭いのです。「狭苦しい」家は、狭さは変わらずとも「苦」さえ取れば「楽」になり、さらに「楽しく」するのです。まさに「狭苦しい」の反対は「狭“楽”しい」のです。
こうして狭苦しい家を見ますと、どうも子ども部屋が原因のようです。2LDKの2部屋の6畳を1人の子どもが堂々と使っていることが多く、大の大人の夫婦は2人で6畳1間と狭苦しくなるのです。これは不公平です。さっそく子ども部屋の半分をタンスなど家具で仕切って3畳ほどの広さにし、残りの3畳を納戸としてしまうのです。
■イラスト1:タンスで仕切った子ども部屋と納戸(画:天野彰)
子どものコーナーは、ベッドと机だけのまるでコクピットのようなコンパクトなものになり、当の子どもはご機嫌です。一方の“納戸”は仕切りのタンスはもとより衣類や掃除機や新聞雑誌など、まさにウォークインクロゼットとなり、狭苦しかったLDKも寝室もすっきり広くなります。
■イラスト2:6畳を2段ベッドで二人の子ども部屋に(画:天野彰)
また2人の子どもには、イラストのように6畳の真ん中に2段ベッドを置いて立体的に互い違いに仕切る2つの子どもコーナーにするのです。
費用をかけて増築したり、倍もする家賃のアパートやマンションに引っ越して広くしても子どもたちはあっと言う間に成長し、10年そこそこで家から出て行ってしまいます。今そんな“抜け殻の様な広い家”に二人だけで住む老夫婦が増えているのです。
これでは「狭苦しい」どころか「広苦しい」のです。いずれ彼らが成長して出て行ったときは、仕切りのタンスやベッドを取り払い元の6畳に戻して夫婦の部屋にするのです。これで増築や住み替えをすることなく、老後の家が「広苦しく」もならないのです。
★毎週土曜日 最新コラム公開中! 次回お楽しみに♪
関連記事
- これからは「家」ではなく「わが身の住み処」として専門家に相談~間取りから場取りへ1
- 生活の「場」を考えると「収納」の位置が決まる?!~間取りから場取りへ2
- 地震!!家からどう逃げるか?まで考える!~間取りから場取りへ3
- まず夫婦の「場」を考える?!~間取りから場取りへ4
- LDKを家族の居る場すなわち居間に~間取りから場取りへ6
- ペットと住む
おすすめ特集
人気のある家をテーマ別にご紹介する特集記事です。建てる際のポイントや、知っておきたい注意点など、情報満載!