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2025年11月29日(土)
気楽に住める家(3)「段差」「階段」の危険を探る
はじめに
厚生労働省の家庭内事故調査(詳細のデータはなぜか古いものしかないが)を見る限り、その後も交通事故死の倍を上回る事故例が多く、中でも階段や段差での転落や転倒の事故が多いと言う。
段差の魔物
老いの生活や子育て家庭に事故が多く、同じ板張りでもリビングとダイニングの間やダイニングとキッチンの間で、わずかに敷居が上がっている場合がある例や、ドアや引き戸のために敷居が僅かに上がった段差で思わぬ事故が起きやすく注意が必要です。
最近は敷居やドアの段差は埋め込みレールやドア止めが無くなりこうした事故は少なくなったものの、和室との段差などは気が緩み大きな転倒になるとも言われています。

モダンでまっ平らな床の間がいい例で、昔の床の間は畳よりも10cm以上高かったものが、広々と見せるためか、最近のリフォーム工事では床のほとんどはゾロの平らにし、床の間の床板(地板)をすっきり畳と同じ高さにしている例も多いのです。
実は畳は足で踏んだときに僅かな弾力があって沈み、床の間の地反やフローリングは沈まず、ごく僅かな段差ができてつまづき、爪を剥ぐなどの“痛い!”事故も起こるのです。これはカーペット敷き込みも同じで、木製の敷居やフローリングと厚みを揃えると高さが同じになる反面、カーペットが沈んでそこにつまづく事故になってしまいます。
あらかじめ施工業者に頼んで、床下の根太(ねだ) を下げ、切り込んで敷居を埋め込むことで解決するようにしましょう。
若くて元気な人に多い「水切りの段差」
浴室に入るとき、防水や水止めの関係上どうしても5~10cmくらいの段差ができてしまいます。これが「水切りの段差」です。そして、脱衣室はフローリング材かビニール床で、浴室の床はタイルかプラスチックの床やタイルでできており、タイルは濡れていると滑りやすく、そこに不用意にかかとから足を下ろすと滑りやく危険です。
これは若くて元気な人に多く、お風呂に入るときよりも、掃除するときや、お湯が溢れたときなどに、慌てて飛び込んで転倒して後頭部を打つなどの大事故となります。敷居も鋭利なアルミサッシになっているケースも、ここに頭や身体をぶつけたら大変です。
階段の事故はなぜ減らない?
事故が特に多いのが階段です。2階に上がるときは上りやすいと思っていても、降りるときは寝起きや高齢になるにつれて恐怖感が増してリズムも狂うなどするのです。上るときよりも降りるときの事故が多くリズミカルに降りているつもりでも足が遅れてしまいスリッパが引っ掛かったり脱げたりすることから起こるようです。
そこでおすすめなのが手すりです。なぜか上るときのことしか考えないことが多く、片方しか手摺りがないことが多いですが、降りるときに支える頼りが無く、これでは最善とは言えません。家族には右利きの人や左利きの人もいます。手すりは両側にあれば理想ですが、狭くなるからとか、格好が悪いなどと、若いときには感じなかったことが老後には事故につながります。
若い人でも足のケガをしたときや酔ったとき、何日か寝込んだ後など階段がいかに恐ろしいものか分かるのです。老いて両手で手すりを掴みながらよじ登ることも出来、「足を骨折しても上がれた!」と言う印象的な建て主もいました。

また、デザインで階段室を明るく見かけを良くし手摺り子を無くし、ガラス張りにするなど、転倒した場合には危険な凶器になりかねません。
安全重視の楽しい広い「Uターン階段」にしたり「踊り場」を設け、そこから室内や景色が見える空間の変化を愉しんだり、ゆるく安全な階段は住まいの中で身にも心にも最も良い“リハビリ空間”になりえるとも言う医師もいらっしゃいます。階段は住まいの中で縦に空間が広がり、視界も大きく変わる不思議な劇的な空間なのです。

ただしお風呂と同じように扱いによっては危険にもなるので、かかとを下ろしたとき滑りやすい素材を避け、滑り止めも足が引っ掛からない掘り込みにするなどの工夫をすれば住まいの中の大きな新たな縦の“エポット空間”となるでしょう。

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