住宅関連記事・ノウハウ
親子同居さらにその親との「四世同堂」の家~上手な二世帯同居プランづくり
親子同居さらにその親との「四世同堂」の家~上手な二世帯同居プランづくり
「四世同堂」は「鶴は千年、亀は万年」のめでたいこと
今のわが人生を基軸にした「住まいの時計」の外側にはわが子さらに孫の時計が回り、そこで若いころの新築の際や、今は夫婦だけの建て替えでも同居を想定内として住まいのプランを考えるのです。
むろん子どもが成長するまでは家族で使うのですが、その後は水回りを加えるだけで二世帯が住めるように、互いが分離したり、あるいは一体同居にしたりするようにプランを考えるのです。二世帯に分離できることは子との同居に限らず、いざとなれば玄関と階段を区切って人に貸すことも前提とするのです。
最近はさらに長寿で親夫婦はもとより祖父母も元気で、三世代どころか四世代が一緒に住む例も多い。これを中国の故事で「四世同堂」と言い、まさに「鶴は千年亀は万年」のようにめでたいことなのです。親子がせっかく一緒に住むなら、経済的なメリットだけではなく、一緒に暮らす安心感と世代の違う夫婦が互いに学び助け合う価値観を見出したいものです。
■イラスト:孫子そして親の人生も回る時計(画:天野彰)
同居のプランは1万通りもある!?
とは言え同居の住まいの設計は難しく、なかなか完璧なプランはできません。一つの家族が住むだけの家の設計でさえ夫婦双方が満足する家にはならないのです。
なぜなら何度もお話しするように“夫婦は決して1つではない”からです。家づくりでは夫と妻の希望がそれぞれ10通りずつあれば、夫婦で10×10=100で、なんと100通りのプランができるのです。これが親子夫婦の同居となると親、子それぞれに100通り!なんと、100×100 の1万通りのプラン!が生まれることになるのです。
実際にはそれほどのプランをつくることは不可能ですが、同じ家族の希望でも意見の強弱によってなんとまったく違ったプランになってしまうのです。親子夫婦4人が意見や希望を強く際限なく言い出すと全員の要望に合ったプランなど出来ようはずがないのです。
そこで早計「二世帯住宅」となるのです。が、互いが勝手に自由に暮らせる反面、父親を亡くしたり、経済のバランスが崩れた瞬間に、別々に暮らして来たために互いの思惑と理解が分からず、かえって不自由になることも多いのです。
■写真:親子孫さらに祖父母も住む家イメージ(天野彰)
そこで次回は、改めて積極的「同居“共働”住宅」のプランニングです。
★毎週土曜日 最新コラム公開中! 次回もお楽しみに♪
関連記事
- 10%の消費税アップで建築コストがメタボになる?!~本気で「住まい」の消費税を上げる?!
- 住まいづくりの現場での建築家の姿勢とは~本質的な家づくり?!
- もっとわかりやすい家づくりのコスト!~本質的な家づくり?!
- シンプルでわかりやすいプラン提案!~本質的な家づくり?!
- まずは・・・ライフステージとは!「家は三度建てる」?~ライフステージに合わせたプランづくり
- 老いの居場所 同居か独居?自在プラン~ライフステージに合わせたプランづくり
- 同居、親の本音と子の本音~上手な二世帯同居プランづくり
- 息子とは「べったり同居」娘とは「二世帯住宅」?!~上手な二世帯同居プランづくり
- そして改めて積極的「同居“共働”住宅」~上手な二世帯同居プランづくり
- 「同居の“密度”」?で親子の最適同居とは?~上手な二世帯同居プランづくり
- LDKは炉辺?!それが住まいの原点?~住まいの本当のお話し
- 身も建物も湿気が怖い?湿気大国日本~住まいの本当のお話し
- あけまして・・・今年は絶対家を建てる!!~新しい家の発想
- まったく新しい「家のかたち」をつくる?~新しい家の発想