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スウェーデン式サウンディング試験結果の判定について
スウェーデン式サウンディング試験結果の判定について
前回、調査結果の見方を紹介したので、今回は試験結果の判定について説明します。
平成13年に「国土交通省告示第1113号第2項」で、「地盤の許容応力度を定める方法」が提示されました(インターネットで「告示1113号」を検索すると出てきます)。
許容応力度とは、地盤の強さを示す数値で、この数値が建物の重さを上回れば建物を支えられ、下回れば建物を支えられない となります。
式は(1)式から(3)式まであり、SWS試験で得られるNswは(3)式で使えます。
(3)qa=30+0.6Nsw
qa…地盤の許容応力度(kN/m2)
Nsw…基礎の底部から下方2m以内の距離にある1mあたりの半回転数(最大値150)の平均値
■表1:基礎の底部を地表面から-50cmとした場合
表-1を例にすると、基礎の底部を地表面から-50cmとした場合、
qa=30+0.6((16+4+12+12+12+12+16+12)/8)=37.2(kN/m2)
となります。
小規模建築物ならば、m2当りの重さはだいたい20kN~30kNです。そうすると、
37.2kN/m2(地盤の強さ)≧30kN/m2(建物の重さ)
となり、地盤の強さの方が勝るので、「建物を支えられる」となります。
しかし、基礎底部より下に自沈層がある場合は別の検討が必要で、そのことが告示でただし書きされています。どういうことかというと、おもりの重さのみで自沈する層(0半回転)があっても、qaは30kN/m2以上となるからです。つまり、どんな地盤も30kN/m2以上の強さがある、ということになってしまうのです。そのため、自沈層の評価は改めて慎重に行うように、ということです。
では、自沈層がある場合はどう判断したらよいか、次回ご説明いたします。
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