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2026年3月22日(日)
高齢になってからも快適な【住まいの仕様】とは
高齢になってからも快適な住まいの仕様とは
前回、高齢者が快適に自立して暮らせる家について、近隣とゆるやかにつながる間取りの重要性について解説いたしました。今号は、家のなかに目を向けてみましょう。
高齢者が暮らしやすい住まいについて、だれしも思い浮かべることとして『段差をつくらない』『手すりの設置』『すべりにくい床材』『居室を1階に集約』させることなどがありますが、ほかにもいろいろ配慮すべきポイントがあります。浴室・洗面所・トイレの動線を段差なくつなげる高齢者に限らず、間取りと仕様の工夫だけで快適に過ごせるコツのひとつです。浴室の入口は2人が通れる3枚引き戸にすると、後々の対応が楽になります。
脱衣室・洗面所の壁はつくらずにアコーディオンカーテンで仕切るようにしておくと、プライバシーへの配慮と使い勝手を両立できます。副次的な効果として、水廻りを集約した設計にすることで、わずかながら建築コストが下がる効果も期待できます。
開口部に設置する間仕切りは引き戸がお勧め開き戸(通常の室内ドア)は足腰が弱ると、使い勝手が悪くなります。スペースと間取りに問題がなければ、引き戸がお勧めです(障子やふすまのような左右に滑らせて開閉するもの)。室内の段差で最も危険なのが、引き戸の溝やレールなど、高さ1cm程度の段差。1cm程度の段差は、立って歩いているときはほとんど意識しませんが、足腰が弱りはじめると、とたんにつまづく危険性が高くなる段差なのです。できれば、上部にレールをつけた《吊りタイプ》の引き戸が良いでしょう。
なにより大切なことは、住宅内の温度差をなくすこと暖かい居室から寒いトイレや浴室に移動すると、温度差で身体的なダメージを負う危険性があります。住宅の断熱性を高めて室内の温度差を極力縮める、もしくは場所ごとの暖房方法を工夫して、トイレや居室、そして廊下を冷やさないようにする工夫が大切です
(参考)東京都健康長寿医療センター研究所の調査この現象をヒートショックといい、2011年の1年間で約17,000人の方々がヒートショックに関連した入浴中急死をしたと推計され、その死亡者数は交通事故による死亡者数(4,611人)をはるかに上回る。
建物の気密性も重要住宅の寿命を大きく縮めかねない【壁体内結露】を防ぐことならびに、室内に籠もる余分な【湿気】を計画的に戸外に出すために必要なことなのです。
どんなに室内の使い勝手をよくしても、家のなかの温度差が10℃以上もあったり、梅雨時にベタベタまつわりつくような湿気に囲まれて過ごすような生活では、四季を通じて快適に過ごすことはできません。最悪の場合、健康に大きな被害をもたらす可能性も否定できません。限られた予算でより大きな住まいを求めるあまり、住宅性能をないがしろにすると、このように住んでからのリスクが格段に高まります。
住宅の仕様を決めるのは、あくまで住む方々です。ただし、他社と比較して大幅に安い価格、短い工期にはなんらかの事情があるものと考えながら住宅会社選びをしたほうが、住み始めて後悔することは格段に少なくなるようです。
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