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同居の家の発想もそれぞれの「個」を優先!~新しい家の発想
同居の家の発想もそれぞれの「個」を優先!~新しい家の発想
家族それぞれの「個」を優先させることだけで“新しい家”が可能となる?のです。
まさしく家族をゾウリムシのような「個」体で考えると、それぞれの最小限のスペースが見えて来てその結果、住まい全体はコンパクトな省空間となり、省エネルギーとなり、そして災害に対しても強度の確保も可能となるのです。さらに各「個」の存在がシンプルかつ明確となり、その家のプランニングの自由性も生まれるのです。
このことは特に同居の家のプランニングに言えるのです。息子すなわち嫁同居、さらには娘すなわち婿殿との複雑そうな同居プランさえも明快となるのです。つまり夫婦すなわち夫と妻のそれぞれの「個」が独立性を持って明快となりシンプルなプランが生まれたように親子が時に一体、ときに別々に暮らせて、しかも家族の繋がりが強靭!となるのです。
言いかえると家族のそれぞれが因子となって独立し、それらの間にある廊下、居間、台所などが部屋でなく家の中の媒体的な空間、すなわちメディア的空間とみなしたソフトな間取りが生まれるのです。トイレや階段あるいは玄関などはそのメディアの中に適当に?配置するだけでよいのです。まさに方眼紙のマス目に部屋を配置するプランニングなどは論外としても、かつて私が提唱した空間の鎖(イラスト1)以上に、このメディア的プランニング(イラスト2)は自由性にとんだ創造性豊かな家となるのです。
[左]イラスト1:繋がる鎖の空間プランニング [右]イラスト2:「個」と「個」の間にメディア的空間(画:天野彰)
家族の最小限の単位であるあの夫婦の寝室の、夫と妻の因子が極力接しながらも襖一枚、あるいは贅沢にも夫婦寝室の間にプライベートな中庭(イラスト3、4と写真)を挟んで独立するなどように、同居プランもさらに親子両夫婦のそれぞれの「個」を優先しながらさらに双方の間に居間と階段などのメディア的空間を挟んで、互いが接しながらも独立性の高い同居プラン(イラスト5)が可能となるのです。
[←]イラスト3:襖の開閉で「夫/婦寝室」和洋も可能プラン(画:天野彰)
イラスト4:中庭を挟んだ贅沢な「夫/婦寝室」(画:天野彰) 写真:左の小さな中庭の向こうに夫の寝室が見える
ちなみにこのプランでのポイントは、そのさらに子、すなわち孫たちは子夫婦のさらに奥に配置して“親夫婦ゾーン”からさらに遠ざけることなのです。
そうです。意外にも同居の最大の欠点が、孫が“親夫婦ゾーン”に逃げ込んだり、親夫婦が子育てに干渉し過ぎる点を注意することなのです。
[←]イラスト5:階段付近をメディア空間とした親子同居断面図(画:天野彰)
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