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第20回:住宅取得のための贈与が最大3,000万円まで非課税に! ~平成27年度税制改正大綱~
第20回:住宅取得のための贈与が最大3,000万円まで非課税に! ~平成27年度税制改正大綱~
昨年(2014年)の12月30日に自民党・公明党による、「平成27年度税制改正大綱」が発表されました。
正式には、国会の審議を経て、税制改正関連法案が成立する必要がありますが、今後の住宅取得のための資金計画に大きな影響を与える改正内容が多く含まれています。そこで、今回は、平成27年度税制改正大綱から「住宅取得等資金の贈与税非課税制度」をピックアップして解説します。
■非課税制度の延長と、非課税限度額の拡大(最大3,000万円まで非課税)
現行の「住宅取得等資金の贈与税非課税制度」は、平成26年12月までに住宅取得等のために贈与を受けた場合、一般住宅500万円、省エネ・耐震住宅1,000万円までの贈与が非課税となる制度でした。平成27年1月以降の同制度については、未定となっていましたが、今回の税制改正大綱で、その内容が明らかになりました。
まず、平成26年12月31日を期限としていた、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」が平成31年6月30日まで延長されます。
制度内容は、少し複雑になり、上の表の通り、
(1)適用される消費税が10%か8%か (2)住宅用家屋の取得のための契約の時期はいつか (3)良質な家屋かそれ以外(一般住宅)か
によって非課税限度額が変わります。
■住宅購入と適用される消費税率の関係
上の表を見る場合は、契約締結の期間と住宅の引渡しの時期による消費税の適用税率の関係を正しく理解しておく必要があります。
住宅購入をした際の消費税は、土地は非課税で、建物に対してのみ消費税がかかります。平成29年4月に消費税は、8%から10%に増税されることが、ほぼ決定していますが、8%の消費税がかかるのか、10%の消費税がかかるのかは、引渡しの時期によって決まるのが原則です。ただし、自宅を建築する場合、契約締結時期と引渡しまでの期間が長期化することが多いため、特例措置が設けられています。消費税が増税となる平成29年4月1日の6ヶ月前、すなわち、平成28年9月30日までに契約を締結した場合、引渡しが平成29年4月以降であっても、増税前の8%の消費税が適用されます。
■良質な住宅用家屋
平成26年12月31日までの同制度にも、「省エネ等住宅」と「一般住宅」の区分によって、非課税限度額が異なっていましたが、今回の税制改正大綱では、「良質な住宅用家屋」と「それ以外の住宅用家屋(一般住宅)」に区分されています。従前の「省エネ等住宅」は、省エネルギー対策等級(断熱等性能等級)4または、耐震等級2以上もしくは、免震建築物とされていました。今回の改正では、その範囲が拡大され、新たに、一次エネルギー消費等級4以上、高齢者等配慮対策等級3以上が加えられました。つまり、省エネルギー性、耐震性に加え、バリアフリー性の優れた住宅も非課税限度額拡大の対象になるのです。
■最大非課税限度額は、良質な住宅で3,000万円、一般住宅で2,500万円
今回の税制改正大綱に基づいて、最大の贈与税の非課税枠が適用できるのは、平成28年10月1日から平成29年9月30日の期間に契約を締結し、消費税が10%の適用となる(引渡しが平成29年4月1日以降)場合、良質な住宅で3,000万円、一般住宅で2,500万円となります。通常の一戸建ての建築代金が、そのまま非課税の贈与資金によってまかなえる計算となります。契約時期や、引き渡し時期、建物性能によって、非課税限度額が変わるので、特に契約や引渡しが消費増税の時期に前後する場合は、不動産業者、建築業者とのスケジュール合わせを密に行うことが大切です。
■住宅購入のタイミングは、贈与税の非課税制度だけではなく、不動産価格、金利も考慮
贈与の非課税限度額が最大になる時期まで、まだ時間があります。「それならば、少し、住宅購入を待とうか」、と迷われる方もいらっしゃることでしょう。そのような方は、税制だけではなく、別の視点で考えてみてはいかがでしょうか。現在、不動産価格は、人気のエリアを中心に価格上昇傾向が続いています。また、長期金利も史上最低金利を更新していて、直近の金利水準をみると、長期の固定金利でローンを組むとした場合、絶好のチャンスといえます。税制だけではなく、これらの経済状況も踏まえた上で、住宅の購入を検討する必要があります。また、経済状況ではなく、ご家族の家族構成など、ライフプラン上の最適な時期かどうかという視点が何よりも重要であることは言うまでもありません。
☆税の適用に関する相談や詳細の確認は、最寄りの税務署若しくは、税理士をご利用ください。
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FPオフィス Life & Financial Clinic(LFC)(外部リンク) 担当:ファイナンシャルプランナー CFP(R) 平野泰嗣
★ご家族構成やライフスタイルによって家づくりやリフォームはさまざまです。ファイナンシャルプランナーとして、
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