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建築家 天野 彰 8%の消費税が建築コストを上げた理由とさらに10%では?!~なんでこんな価額になるの?

はじめに

前回、各下請け業者(メーカーを含む)の見積価額の消費税が請負価額の中にまるで体内脂肪のように残って「メタボ」(イラストの赤色)状態となり、結果8~10%の消費税であっても結果30%(あるいはもっと!)割高の施工価額になり得るとお話しました。

 まずは本当なのか?とか、よく分からない?あるいは施工業者や税の関係者はそんなはずはない!と怒り心頭のようなのです。

そこで改めて「建築発注と税の加算の仕組み」をお話しします。 前回のイラストを参考に、仮に消費税が10%アップしたのときの積算例を模式図を交えて丁寧にお話します。

建築発注と税の加算の仕組みについて

単純に一軒の家の建築コストで100万円相当の10項目の下請け工事見積りがあるとして、その1つの100万円だった建具工事費の内訳を紐解いてみますと、まずはサッシメーカーのアルミの原料原価の+10%の消費税、型代の+10%、その作業費+10%、ガラスの原料などに各10%、その加工費の10%、それらの組み立て費の10%、そしてさらに現場取り付け費10%、その間のあらゆる運搬費や光熱費に各10%これらの消費税込みの見積もり費に発注移動する都度次々に経費や運搬費が加算されそれらに必ず消費税がオンされ、最終の元請への見積書ができるのです。

それはまるで消費税が複利計算のように累積されて取りあえず100万円となってしまうのです。それにその10%10万円すなわち110万円の税込価額の見積り価額となるのです。さすがにこの段階では元請は発注者から総額で10%の消費税を預かる?ので、価額にはこの建具工事の10%は差し引いて見積り計上するはずなのですが。

果たして、下請け価額決定のときは、実際にはこの税込価額支払いの110万円から交渉されることが多く、結果100万となってもその中には10%分の消費税が残ってしまうのです。考えてみればその数値になるまでのあの無数の取引における消費税の各10%が相殺されていようはずがないのです。確かに税法上の各取引の消費税徴収は各段階での買って支払っての差し引きがされるはずですが、見積り上の元値には消費税が残されたままなのです。その証拠に、かつて1988年の消費税がまったく無いときのほぼ同品質同仕様の建具屋さんの見積価額は、先の原料や工賃運賃原価が積み上げられても、元請の施工業者に上がって来たときにはなんと70万円にも満たなかったのです。確かにバブル経済やリーマンショック、円高などの変動はあっても、さほど原価や人件費は変わっていないはずです。

それがほぼモノ中心の建具工事でさえ約120万円から130万ほどとなり、さらにそれに+10%の消費税加算で、結果は実に132万~142万円となってしまうのです。なんと倍なのです!これらが、基礎、木工事、設備、キッチンや家具とそれぞれ増えて、それに元請施工者の経費+管理費が加わりその合計にまた+10%の消費税加算となるのです!なんとこの段階で1,500万円近く、実に倍の建築費!?にもなるのです

20年ほど前50万円だった坪単価の100床の病院は1000坪、5億円が相場でした。
今や坪100万円でもおっつかず、10億円以上となり 「それに1億円の消費税も払えるかっ!」となるのです。しかも各施工者や下請け、さらにメーカーも「儲からない!減益だ」と言うのです。

国民の社会資本となり得る居住や医療さらにインフラコストがこうなっている現実をはたしていったい誰がウォッチし、是正しようとしているのでしょうか?なるほど「住宅や医療に消費税?軽減か免税措置を」と言う意見さえ出ないのも不思議なことです。

イラスト:体脂肪のように残るメタボのような消費税(画:天野彰)
イラスト:体脂肪のように残るメタボのような消費税(画:天野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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